「自己肯定感」不足を解消するには?
なぜ、塾に行くの?
突然ですが、「なぜ、塾に行かせるのか?」この質問について、真剣に考えたこと、ありますか???これは、何も、塾に限ったことではないのかもしれません。「習い事」というくくりに入るのでしょうが、私たちが子どもの頃に比べると、多種多様になったように思います。
様々な習い事がありますし、幼い時から、可能性を判断するうえで、必要であることは言うまでもありません。しかし、これらの習い事の一つとして、「学習塾」があってはならないと考えています。
つまり、「勉強」を教えてもらうという単純な動機で学習塾に行くものでもないし、「学習塾」側も、ただ勉強を教えればいいということに終始してはいけないと思います。
学習塾は、学校では決して学べないものを伝授していくことが必要であると思います。
それでは、「学校では決して学べないもの」とは、いったい何でしょうか?
高校受験で人生終わりではありません。当たり前ですが・・・。
学校の先生にも、いろんな方がいらっしゃいます。個性的な先生もたくさんいらっしゃると思います。しかし、義務教育における「学校」という組織の中では、決して学べないこともたくさんあると思います。
私の塾では、「生きていくこと」について考える癖をつけることに焦点を当てています。その背景には、急速な時代の流れがあります。
私の子供の頃である1980年代と、現代とを比べると、等比級数的に時代の流れが速くなっています。それは、携帯電話に始まり、スマートフォンの機能をみれば、一目瞭然だと思います。
子どもたちのコミュニケーション手段も一変しました。そんな中、10年先、どんな未来が訪れるのでしょうか?
世の中、「メタバース」や「バーチャルコイン」などの言葉が急速に普及してきましたし、それらの分野の進歩も目覚ましいものがあります。これらの分野は、ともすれば、10年以内に私たちの日常生活のベースを変えかねないものになります。
そういった、極めて近未来の姿を、私たちは吸収し、どのように生きていくべきかを考え、それらを子供たちに伝えていく必要があると思います。
時代の流れから取り残された教育現場
しかしながら、現代の最先端の記述や世界観と、現状の、特に義務教育の教育現場との格差は、どんどん開く一方だと感じています。私が社会人になった、2000年前後でも、同様に感じた記憶があります。
つまり、それまで教えられてきたことと、直面した現実が、あまりにも乖離していました。私たちの時代ですらそうですから、今の子供たちの5年後、10年後を考えると、末恐ろしくなっていきます。
それは、お金の稼ぎ方ひとつとっても、今とは全く違うものになっている可能性も十分にありますし、また、角度を変えると、世界的な平和秩序の根幹も、いまや崩壊しつつあり、大きな分岐点に差し掛かっています。
様々な要素が絡み合って作られていく未来を、誰も予想することはできないでしょう。しかし、今をできるだけしっかりと捉えて、生徒たちに伝えていくことは、伝わるかどうかはともかくとして、学習塾の使命だと考えています。
いい加減、教育現場も刷新してほしいところなのですが、なかなか、旧態依然としているのが現状です。このままでは、子どもの頃の価値観と、大人になってからの価値観の隔たりは、ますます大きくなっていくことでしょう。
大手学習塾も他人ごとではない!
よく、大手学習塾の実績を見て、塾を選ぶ保護者が多いと聞きます。しかし、数字のからくりをご存じでしょうか?大学受験予備校がいい例ですが、高校在学時に高校の試験はもちろんのこと、S台、Y々木、K合塾、S研ゼミなど多数の予備校主催の試験を数多く受けてきました。結果、私は無事に九州大学に合格できたのですが、今挙げた学習塾に、それぞれ九州大学合格者として、1名ずつカウントされているのが実態です。
つまり、私は、最低5つの塾で合格していることになっているのです。子供のころから、定員数が合わないなぁと思いながらいろいろと調べていたのですが、こういう数字のマジックがあったのです。
こんなことをして、顧客をとろうとしても、中身は果たして伴うのでしょうか?はなはだ疑問です。
やはり、先述のとおり、他塾と差別化する前に、学校との差別化を明確に打ち出すことが最も重要なことではないでしょうか。
成績の上がり方には2通りある!
以前のコラムでも述べましたが、いわゆる「学び」には、3ステップあります。
<学びのトライアングル>
①まずは、「勉強」します。「勉強」とは、「分からないことを知ること、そして、どこがどうわからないかをできるだけ細かく抽出すること」を指しています。
②「勉強」で抽出した「分からない部分」に対する答えを精読してみたり、先生や友人に聞いたり、教科書や参考書などで調べたりして、理解すること。これが「学習」です。
③ここで安心する人が多いのですが、ここから、体得するまでしっかりと類似問題を「練習」することが大事です。これが、一般的には「宿題」に当たるかと思います。
先述の①・②をとばして、③だけを一生懸命やっても、成績は一時的にはあがります。しかし、①・②を省いているがゆえに、高校受験で結果が出たとたんに、成績が下がります。このやり方では、高校受験の問題は解けるのですが、その先に出てくる理論については、全く歯が立ちません。
どんなに時間がかかっても、①・②のステップを省いてはいけません。たとえ高校受験の段階での結果が振るわなくても、腐らずに、この①~③のステップを継続してください。何かコツがつかめてくるはずですし、自分の傾向も把握することができるでしょう。
これが、本質的な「学び」です。
これをあきらめずにやれば、上がった成績はたとえ微々たるものでも、高校になっても下がることはありません。しっかりと「理解・体得」できているからです。
当塾が、無駄な宿題を出さない理由は、ズバリこれです。宿題をものすごく多く出す塾は、先述の③ばかりをやらせる結果になります。
にわか仕込みのテクニックは、すぐさま忘れていきます。
大事なのは、先述のやり方を、自分なりに実践することです。結果はあくまで結果論です。プロであれば、結果を求められますが、そんなの二の次三の次です。まずは、このトライアングルをしっかり身につけてください。
そして、このトライアングルは、勉強に限らず、スポーツや芸術の分野でも基礎土台を作るうえで欠かせないと思います。
この基礎土台ができて、オリジナリティが初めて発揮されるわけです。みなさんも、だまされたと思って取り組んでみてはいかがですか?大人でもまだまだ遅くはありません。
ただ1ついえることは、「諦めたら終わりです」。