ウインザーチェア(ダイニングチェア)の座割れ+ぐらつき修理の代表例のご紹介
「このソファのクッションを見てください・・・!」
と、新居浜市・K様がソファの置きクッション1個を持ってご来店されました。
K様からは・・・
「20年以上使ってきた愛着あるソファの置きクッションです。」
「クッションを作り変えて、さらに永く使いたいのです。」
と、お問い合わせをいただきました。
私には、この置きクッションを見ただけで、その特徴からコスガさんのカントリーリビングセットだとわかりました。
その後、表面に張る張り生地や置きクッション下に取り付けしているゴムクッション(エラストフラム)の交換など打ち合わせし、ありがたくご依頼をいただきました。
修理作業前/お預かりしたコスガさんのカントリーリビングセット
およそ2ヶ月の納期をいただき、新しい張り生地の置きクッションとゴムクッション(エラストフラム)の準備ができましたので、K様のリビングセットをお預かりいたしました。
この写真は、TOKI家具館メンテナンスの“リノベーション家具のある暮らし” ステージにて撮りました。
20年以上もお使いのため、置きクッションは痛んでしまっているものの、ナラ無垢材フレームは強固なものでした。
修理作業①/木製フレームの調整+圧着作業
K様のリビングセットを作業場へ移し、フレームの調整や掃除を進めていきます。
20年以上も使われているリビングセットですので、フレーム骨格部の接合ヶ所の不具合を確認するのが目的です。
この写真は、木製フレームから座枠を取り外した状態です。
5脚中、1脚の木製フレームの接合部が外れかかっていたため、愛用のソマックス製クランプ類で圧着処理をしました。
修理作業中②/ゴムクッション(エラストフラム)の交換
置きクッションが新しくなっても、それを支える土台がしっかりしていないと座り心地は改善されないものです。
そのため、座枠に取り付けられたゴムクッション(エラストフラム)を交換していきます。
これが新しいコスガ純正のゴムクッション(エラストフラム)です。
専用の金属フックも新しいもので取り付けしていきます。
座枠から20年以上使われた古いゴムクッション(エラストフラム)を取り外した状態です。
新しいゴムクッション(エラストフラム)を取り付けた状態です。
座枠にマスキングテープを貼って番号を書いていますのは、最初に取り付けてあったフレームに確実に座枠を戻すためです。
新しいゴムクッション(エラストフラム)を取り付けできた座枠をフレームに取り付けできた状態です。
修理作業後/コスガさんのカントリーリビングセットが蘇りました
新しい置きクッションをセットしました。
フレームが強靭な広葉樹で作られている木製フレームソファの置きクッションを交換すると、まるで新品のような感じに見えます。
20年以上も使われると、生活キズも少々入りそれが家族の歴史のような雰囲気も出ています。
「コスガ製カントリー3人掛けソファです」
K様は、ふだんはこの3人掛けを中心にご愛用されているとのことでした。
「コスガ製カントリー1人掛け椅子です」
K様は、1人掛け椅子は、特別な方が見えられた時だけ使われるとのことでした。
ここ10年以上前より・・・
70歳以上のシニア層のお客様から「膝が悪くなったので、楽に座ったり立ち上がったりできる両肘椅子はないですか?」
というお問い合わせが増えています。
シニア層のお客様が見えられた時なども、この両肘椅子がお役に立つことと想われます・・・。
余談ではありますが、TOKI家具館メンテナンスでは、「いつ・どんな作業をしたか」ができるだけわかりやすいように、作業したほとんどの家具に「作業済みシール」を貼らせていただいています。
今回、K様の椅子に張らせていただいたのは、サンゲツさんのモコフラッフィーというモケット調の近年好評な生地です。
K様、良い家具の仕事をご依頼いただきありがとうございました。土岐泰弘
「TOKI家具館メンテナンスは古いカタログを保存しています」
毎日のように修理作業やリノベーション作業をしているTOKI家具館メンテナンスにとって、大切なことの1つは、適切な部品調達です。
そのためには、これから修理する家具のメーカー名、品番や型式がわかることがとっても大切なことなんです。
そのため、メーカーさんによったら半世紀も前のカタログも保存しているんです。
今回修理させていただいたK様のコスガさんのカントリーリビングセットですと・・・
1993年~1994年のコスガさんのカタログに張り生地も同じでカントリーリビングセットが掲載されていました。
これは些細なことですが、TOKI家具館メンテナンスは、とっても大切にしていることなんです。
最後までお読みいただきありがとうございました。土岐泰弘