「美容医療のかかりつけ医」を目指し、自分らしく生きる人を応援（2/3）

「体調が戻っても社会復帰できる意欲が湧かない」の声に、心の回復を支える美容医療の役割を認識

　がん治療に携わる医師として複数の総合病院に勤めていた中島さんが、アピアランスサポートの重要性を痛感したのは、都内の癌研有明病院に在籍中のこと。数多くの臨床に携わる中で、ある特徴的な事象に気が付いたそうです。

　「昨今のがん治療における医療技術や薬剤の進歩には、目を見張るものがあります。多くの患者さまは、罹患後の適切な治療によって、仕事が再開できるまでに体力も回復していきます。ところが経過観察などで、多くの人が口にするのが、『体調が戻ってもすぐには社会復帰ができない』という苦しい訴えでした」

　化学療法により失われた頭髪、爪や皮膚の傷みのほか、闘病生活が容姿に及ぼした数々のダメージによって、人前に出る勇気や意欲まで奪われてしまうという現実。
　中島さんは驚くと同時に、「自分のアイデンティティーが失われたような喪失感を補い、活力を取り戻すまでが、真の回復なのではないか」と思い至ります。

　がん診療を続けながら美容外科、美容皮膚科でも知見を重ね、さらにメディカルアートメイクなどの技術も修得。家族を残していた地元松山へ戻り、外見の変化に戸惑い、心が疲弊してしまった人々に笑顔を取り戻すため、美容クリニックを開きました。

　「もちろん健康に問題のない人の、なりたい自分の姿を求める気持ちにも応えたいと考えています。病気のときも健康なときにも寄り添える存在でありたいですね」

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