明日の自分を生かす力を蓄える、五感に訴えかける心理トレーニング（2/3）

目を開けていても見えなかった現実から、「人はいつでも変われる」を体現して踏み出す

　尾崎さんが心理学を学ぶきっかけとなったのは2016年、自家用車での出勤途中に起こしてしまった自転車との接触事故でした。
　
　「職場は物流会社。男性に交じってフォークリフトや大型トラックも乗りこなすなど、運転には自信がありました。しっかり目を開けていたにも関わらず、精神状態は後ろ向きだったのだとがく然としました」
　当時、尾崎さんは26年間の結婚生活に終止符を打ったばかり。
　「気持ちがふさいだまま、現実世界を全く捉えられていなかったのだと思い知りました」と当時を振り返ります。
　
　尾崎さんは「一刻も早く自分を取り戻さなければ」と、自らの現状を直視するための意識転換法を模索。ほどなくして香川県のNLP心理学の教育機関にたどり着きます。
　「夢中で学び進めるうち、ようやく自分がどのような状態にあるのか、理解し始めました」

　無気力に過ごしていた毎日から1年ほどで脱却。食べ物もおいしく感じ、笑顔も増えたといいます。

　変化をもたらしたNLPの手法に驚くと同時に、「自分と同じように苦しみの只中にある人に、笑顔を取り戻したい」との思いが芽生えた尾崎さん。スキルアップと並行してコーチングやカラーセラピーなど、知識の幅を広げていきました。

　「『人はいつでも変われる』を体現するような感覚でした。幼い頃の『雑貨屋さんになりたい』という夢も、今ならやれると踏み出したのが、このショップ兼事務所の原型なんです」

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