「ごめんなさい」が素直に言えない夫や妻

新川てるえ

新川てるえ

テーマ:夫婦関係

相談を聞いているとお聞きすることがあります。
「私の夫(妻)は『ごめんなさい』と謝ったことがないんです」
そんなパートナーを持ち、ストレスをためている人は少なくないのかもしれません。

なぜ『ごめんなさい』が言えないのか?


心理的にはこんな理由があります。

プライドが高いから★謝ることが自分の立場を弱くすると思っているため、謝罪しない
自分の非を認めたくない★自分が間違っていることを認めるのが難しい
謝る場面だと気づいていない★自分が悪いと思っておらず、謝る必要があると感じていない
防衛心理★謝ることで自分が不利になることを避けたい
無価値感★謝ることでさらに自分が軽く見られるのを恐れている

どれをとってみても、自分が不利にならないようにとの防衛感情からです。

『ごめんなさい』の効果


マイナス面を見ないでプラス面を見て『ごめんなさい』の効果を知ることです。

愛、至福、喜び、理解、希望、楽しみ、安心、そして慈悲(許し)などに繋がります。
謝ることで感覚を改めさせ、新しい考え方をもたらすことに繋がります。
成長して失敗から学ぶ効果に繋がります。
「ごめんなさい」の言葉で心のモヤモヤが癒され、ヒーリング効果を感じることがあります。
相手とのコミュニケーション効果を高めます。

なぜ家族間では「ごめんなさい」が言えないのか?


会社や友達関係では良く「ごめんなさい」を使うのに、家族の中では使えないと言う人もいます。
これはまさに「所有の錯覚」があるからです。

心理的所有感とは、ある対象物を自分のものだと感じる感覚のことで、いくつかの特徴があります。

自分と対象物の結びつきを感じること
自分の一部のように感じること

だから対象物をコントロールできると感じることです。
家族は自分の所有物のように感じるので、多少の間違いがあっても謝らなくてもいいと思ってしまうからです。

でも家族こそ、いいコミュニケーションをとりながら一緒に生活しなくてはならない仲間です。
しっかりと「ごめんなさい」を使いましょう。

「ごめんなさい」の間違えた認識


先日、カウンセリングで「ごめんなさい」を上手に使えないという相談者さんがいました。

お話をお聴きすると、まず、自分のご両親が自分に謝ったことがないと言います。
こういう幼少期からの親の態度による教育って影響があるんだなと思いました。

そして、その人にとっての「ごめんなさい」は自分の否を認めることだそうです。
だから本当に自分が悪いと思わないと謝れないと・・・

もっと社交辞令のように「ごめんなさい」を使っていいんだよとお伝えしました。

「私は悪くないけど、私のために心配したり嫌な気分にさせてしまっているのならごめんなさい」

「共同生活をしているので、あなたが掃除をするのは当たり前だけど、一緒にやらなくてごめんなさい」

心の中ではこんな風に思いながらの気楽な使い方がお奨めで、家族のコミュニケーションを良くすると思います。

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新川てるえ
専門家

新川てるえ(カウンセラー)

新川てるえカウンセリングオフィス

家庭問題カウンセラーとして30年以上の実績があります。「選択理論」をベースにしたカウンセリングで、夫婦問題専門。他、日本では専門家が少ない「ステップファミリー」や「国際ロマンス詐欺」の相談も可能です。

新川てるえプロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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