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悲惨な相続にならないための相続への心構え

小川哲也

小川哲也

テーマ:不動産の相続

親戚の悲惨な相続


昔の話です。まだ私が今の年齢の半分くらいの頃、親戚に相続が発生しました。
その親戚一同は、以前は正月には必ずみんなで集合し、宴会をやるような仲のいい
一族でした。他にも小さい頃には地域の行事や何かで、本家、分家が集まって、
手打ちうどんを作って食べさせてくれました。
今、思うと、ああいう素朴なうどんは、あの時以来食べてないですね。



ところが、相続が起きて事態が一変しました。
仲がいいと思っていた叔父叔母が争いを始めたのです。
当時50歳前後の叔父叔母が、本気で言い争い、暴力沙汰にまでなっていました。
しかも、その暴力沙汰のきっかけとなったのは、真剣な話をしている時に、誰かが
オナラをしたという理由で、長男がブチ切れ、バトルロイヤル状態(笑)
うちの父と母は、余りお金に執着が無いので、いつも止め役で大変だったようです。
まったく映画の題材になりそうな光景ですよね(笑)

長男が祖父と暮らしていた家は、土地が1,000坪程あったと思います。
郊外とはいえ、当時はバブル崩壊前でしたので、かなりの資産額であり、
また、相続税額も大変なものだったと思います。

長男は、祖父の面倒をみていたので、ほとんど自分で相続しようとしました。
もちろん、税金も全部自分で払うつもりでした。
元々、農家の分家だったので、そんな考えも今となっては分かるような気がします。
ただ、遺言も無いので、他の相続人も黙っていません。
1,000坪くらいあるので、土地を分けることも可能でした。
畑はありましたが、家庭菜園程度のもので、農家としての収入はありませんでした。
しかし、長男は頑なに財産を独り占めしようとしていました。

かなりもめて、結局は長男もちょっとは兄弟姉妹に譲ることにしましたが、
到底法定相続分には達しない額でした。
そして結局は断絶です。

あれから30年余り、仲のよかった一族の新年会は開催されていませんし、
全く交流がなくなってしまいました。
当時、木造平家建てで、土間があって、8畳の和室が3つ繋がっている
いわゆる古民家風の家は、相続税の申告が終わった後には売却し、
そこにはマンションが建ちました。
子供のころに祖父が養鶏をやっていましたが、それも撤去され、
畑と沢山の樹木も無くなってしまいました。

ただ、やっぱり血は繋がっているというか、最近私の従兄が亡くなりまして、
その葬儀の席で、仲直りするという宣言がありました。

叔父叔母ももうみんな80歳以上です。亡くなった方もいます。
最後に仲直りしたのは良かったのですが、この30年はいったい何だったのか、
土地というものは、恐ろしいものだと、実感したお話でした。


不動産の相続でややこしいこと




相続対策と一括りに言っても、各ご事情によって様々な対策が必要となってきます。
まず、相続税が発生して、それが払えるかどうかを見る必要があります。
税金を安くする方法はありますが、それによって、払う現金がなくなったら元も子もありません。
また、各相続人間で納得する必要がありますので、遺産分割の協議は早めにしておくことも必要でしょうし、被相続人が遺言を書いているか否かも確かめるべきで、出来れば、親族の皆さんが納得できる遺言書を事前に用意しておいてもらうことが理想的です。

一つややこしいことがあります。不動産の相続税を計算する際には、国税の財産評価基準によって計算することが一般的ですが、これが時価と相違している場合があります。
元々、相続税路線価は、公示価格(ほぼ時価と考えられている)の8掛けを目安につけられていますが、8掛けだと思っていたのが実は時価より高い場合もありますし、時価の1/3程度のこともございます。
要するに、税金を計算する時の評価額と時価は一致しないことが多いので、相続財産については時価を基準に分割等の協議をしないと不正確及び不公平等様々な問題が生じてしまいます。

よって、相続不動産の時価は、不動産鑑定士による鑑定評価によって把握すべきで、これに基づいて分割協議等を行うことが分かりやすいですし、実態に即して不公平なことも無くなります。
ですので、色々な協議を始める前に、全体を把握する必要がありますが、不動産の場合は、一つ一つの不動産の時価を把握するということ、言い換えれば、正確な時価に基づく財産目録のような一覧表を作成しておくと理想的であると言えましょう。


相続に関連する専門家


前提として不動産の相続がある場合で考えます。

相続は、生前の対策、遺言、分割協議、遺産分割、申告等と、色々とやる事が多く、それぞれの専門家の意見を聞いた方がいい場合が多いです。
税金に関することは税理士先生に頼むわけですが、これはまず外せないと思います。
ただ、税理士先生にも得意、不得意がありますので、相続税の申告実績が豊富な先生に依頼されると安心です。

遺産分割等で揉めて、当事者だけではどうにもならない場合は、弁護士先生の出番です。
揉めるのはできるだけ避けたいですが、どうにもならない場合もあります。
また、不動産には他人の権利が付着している場合もあるので、これらの権利者と揉める場合もあります。
揉めなくても交渉しなければならない場合もありますので、弁護士先生の出番も結構あるかもしれません。

また、相続登記や土地を分筆した場合等、司法書士の先生に登記をしてもらう必要もありますし、測量をする場合は、土地家屋調査士の先生や測量士の先生に依頼しなければならない場面もあるでしょう。

遺言については、よく行政書士の先生がそのようなサービスを行っているのを聞きますね。
遺言書も法律に則った書式、形態にしておかないと、無効になるケースもあるので、注意が必要です。

相続対策をする場合に、事前に不動産を売る場合もあるでしょう。その場合、一般的には不動産業者(宅地建物取引士)さんに依頼します。
また、保険等も有効な相続対策ですので、保険会社の人ともお付き合いが出る場合もあるでしょう。
さらに、相続税評価額を減らすために、新築アパート等を建築する場合は、建設会社やアパートの管理会社さんともお話をしなければなりません。
それに伴って、銀行さんとも協議が必要です。

脅かすわけではないですが、なんだか沢山の専門家がいて大変です。
税理士、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、測量士、行政書士、宅地建物取引士、保険会社、建設会社、管理会社、銀行・・・・
それから、最近では、相続に関連した資格者も多くなってきました。私の場合は、相続診断士という資格を取りました。
http://souzokushindan.com/inheritance_consultant.html

このような専門家を別々に探すのは至難の業です。ですので、これらをトータルに仕切る人が必要になっています。


実は上記をトータルに見れるプロがあまりいない




自分の写真を出して恐縮ですが、私は不動産のプロですが、不動産以外の知識が重要な難しい案件をトータルに見れる実力がありません。特に株式、保険、その他金融商品については私の弱点です。
従って、そういう場合はトータルに見れるプロのところへご依頼者と一緒に面談しに行きます。
ここでは、その相続のプロフェッショナルの方のお名前は出せませんが、その方は私の相続に関する師匠で、紹介がないと面談も受けてくれません。
それだけ、正しい知識に基づきトータルに相続を見れる方が少ないというのが実情なのです。
もちろん、不動産に関しては私の方が知識、経験も上ですが、相続全体となると恥ずかしながらその方に太刀打ちはできません。
もちろん、揉め事もなく、相続財産がほぼ不動産であるような案件の場合は、その方の面談は割愛することもございます。


相続についての最適解をネットワークで導きます!


このように私は相続をトータルに見れる非常に優秀な方をネットワークで持ちつつ、不動産の相続の可能性がある場合、生前からきちんと対策を講じたい方のお役に立ちたいと考えています。やはり、対策は事前の計画が一番重要です。
そして、計画を作る場合には精度の高い不動産評価、その他の財産把握、被相続人の意思を確認しておくことが必須になります。

従って、相続不動産のことはもちろん、事業承継絡みの相続対策等も、まずはご連絡を頂ければ動くことができます。
相続のことで何かお困りのことがあれば、こちらをクリックしてみて下さい。
初回の電話相談は無料にしております。
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小川哲也
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小川哲也(不動産鑑定士)

おがわアセットカウンセル株式会社

不動産コンサルティング会社、デベロッパーでの実務が豊富な不動産鑑定士。相続における借地権・底地の問題に強い。また、証券化案件の豊富な実績から、実態に即した価格や計画の提示で、投資判断をサポート。

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