令和8年度税制改正大綱   <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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テーマ:令和8年度税制改正

令和8年度税制改正大綱の取り纏めは佳境を迎えていますが、例年より公表が遅れる中、今回は、間違いなく盛り込まれるはずの「大胆な設備投資促進税制の創設」を、以下にて取り上げたいと思います。

創設の趣旨

足下では、米欧中を始めとして各国が国内投資促進政策を強化しており、一方、国際情勢の不確実性が高まる中、国内成長投資の先送りが生じかねない状況にある。そこで、5年間を集中投資期間と位置づけた上で、国内投資の拡大を通じて、日本企業の「稼ぐ力」を向上させ、賃上げを含めた好循環を形成するため、過去最高水準に上昇した企業の現預金も活用しながら、2030年度に135兆円、2040年度に200兆円の新たな官民国内投資目標達成を目指して、設備の高付加価値化のための大胆な投資促進税制の創設が必要。

改正の内容

国内投資を喚起して成長を後押しするため、以下の要件の下、投資額の7%(建物については4%)を法人税額から差し引く税額控除、又は、設備投資に係る費用の全額を投資の初年度に減価償却費として一括計上できる「即時償却」を選択適用出来ることとする。
1) 対象業種に制限は設けず、全業種を対象とする。
2) 投資額要件は大企業で35億円以上、中小企業については5億円以上とする。
3) 生産設備、ソフトウェアーの他、建物も対象とする。
4) 投資利益率15%超の投資計画を策定の上、各地の経済産業局へ提出し、2029年3月末ま
でに計画の確認を受け、5年以内に投資し、且つ、対象設備等を事業の用に供する必要
があること。
5)米国の関税措置の影響を受けた企業については、必要と認められた場合、税額控除を最大
で3年間繰り越せることとする。

改正の効果

高市政権が租税特別措置法の見直しを掲げる中、新たな減税策を設けることになるが、「17の戦略分野」として重点を置くAI・半導体や造船、重要鉱物などが中心になると想定され、今回の措置で年間4兆円程度の設備投資を見込む。

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