令和4年度税制改正 消費税編 <浦安・市川の中小企業支援コラム>
岸田首相肝煎りの“新しい資本主義実現会議”からの緊急提言(11月8日)が令和4年度税制改正を主導しそうですが、今回は、その中から、改正事項となりそうな主要事項の概要を、以下にて取り上げたいと思います。
賃上げに取り組む企業への優遇税制の強化
提言の趣旨
企業の内部留保(利益剰余金)は9年連続で増加し500兆円に迫る一方、賃金はむしろ減少傾向にある中、その内部留保を賃金アップに反映させ、消費を喚起し、以て、「成長と分配の好循環」を実現すると言う岸田首相の分配政策の一番手として位置付けられている。
これまでの賃上げ優遇税制の概要
賃上げを促す税制は第2次安倍晋三政権下の2013年度に導入されて以来、見直しが繰り返されてきた。当初は企業規模にかかわらず給与総額が増えれば優遇税制を適用したが、2018~2020年度は働き続ける人の賃上げに力点を置き、継続雇用している人の給与総額を増やした場合に税額控除することへ変更した。然し、21年度からは新規雇用を重視する形に改め、大企業では新規雇用者への給与が前年度から2%以上増えた場合に支払額の15%を税額控除し、資本金1億円以下などの中小企業は、企業が支払う給与の総額が前年度比1.5%以上増えれば、増加分の15%を法人税から差し引き、2.5%以上増えれば、25%を法人税額から差し引くとしている。
具体的提言内容
2018~2020年度の税制をベースに以下の3つが改正点として盛り込まれる見通し。
① 新規雇用者ではなく、継続雇用者の1人当たり給与の増加を要件とする。
② 非正規雇用を含めて全雇用者の給与総額の増加を対象とする。
③ 現在15%の控除率を引き上げる。
オープンイノベーション促進税制の拡充
提言の趣旨
我が国では、イノベーションの担い手であるスタートアップの数は低い水準にとどまり、特に、成長するスタートアップは極めて少ない。日本の将来を築いていくためには、スタートアップの創出・成長発展のための環境整備に取り組む必要がある。
具体的提言内容
創業10年未満・未上場のベンチャー企業に対する1億円以上の出資について、25%の所得控除をする現税制について、対象となる株式の範囲の拡充を検討する。
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