令和2年度税制改正要望 第二弾!  <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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新たに党税調トップに就任した甘利会長は、令和2年度税制改正でM&A(合併・買収)への減税措置に前向きな姿勢を見せています。今回は、前回同様、経産省の税制改正要望の中から、M&A関連の改正事項を、以下、取り上げたいと思います。

オープン・イノベーション促進税制の創設

改正要望の背景:
日本企業の内部留保は2018年度末で463兆円と7年連続で過去最高を更新し、保有現預金残高は240兆円を超える。欧米では社外のベンチャー企業や大学等が持つ技術とアイデアを活用する「オープン・イノベーション」が盛んだが、日本企業は社内に研究者を囲い込む自前主義が強く、それが内部留保や現預金残高の高止まりを招いていると指摘されていた。イノベーションの気概が薄い日本の大企業を第ニ創業のような勢いで伸ばす為には、自社にない技術やビジネスモデルを有する企業や大学発スタートアップに投資をするよう税制面で後押しする必要があるとの提言が未来投資会議でもなされていた。

要望事項:
大企業の内部留保の活用を促すため、一定の要件を満たすベンチャー投資に対し、投資額の一定割合を税額控除する税制措置を創設する。また、中小企業による投資については別途の特例を設ける。

自社株式等を対価とした株式取得による事業再編の円滑化措置の創

改正要望の背景:
欧米の大規模な買収においては、買い手側が手許資金を設備投資等に活用出来ること、又、自社の規模に比して大きなM&Aを行うことが可能であることから、利用される対価は株式又は株式と金銭との混合が主流である。一方、日本においては、現金による買収のみとなっていて、それが、海外と比べて大規模なM&A案件が少ない要因と指摘されていた。今秋の臨時国会に上程された会社法改正において、自社株式等を対価とするM&Aについて新たに「株式交付制度」が創設される予定で、これを踏まえ、迅速且つ大胆な事業再編が円滑に進むよう、被買収会社の株主へ買収会社への株式譲渡を促す為、株式の譲渡益課税の軽減措置を望む声が挙がっていた。

要望事項:
自社株式を対価とするM&Aに応じた被買収会社の株主の株式譲渡益について、その対価として取得した買収会社の株式を譲渡するまでの間、課税の繰延措置を講じる。

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