平成30年度税制改正論議は佳境へ!   <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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自民党税制調査会は11月7日、衆院選挙後初の幹部会を開催し、平成30年度税制改正大綱は12月14日を目処に取り纏めることを決定しました。そのスケジュールに向け、11月22日の総会から議論を本格化させています。未だ未だ、具体案は定かではありませんが、これまでの議論の中から、盛り込まれる可能性の高い重要改正事項を以下にて取り上げたいと思います。

所得拡大促進税制の延長・拡充

安倍首相が「3%の賃上げを期待する」と企業に呼びかけたことを受け、平成29年度末に期限が切れる「所得拡大促進税制」が延長・拡充されます。現法では、基準年度からの増加額に10%を乗じた金額の税額控除に加え、大企業の場合、前事業年度から2%以上の賃上げをすることを条件に、その増加額に2%を乗じた金額を法人税額から差し引く仕組みですが、税制改正では3%以上の賃上げ率を実施した企業に対象を絞り込み、税額控除できる割合も広げる案が検討されています。中小企業の場合、現法では、2%以上増加の縛りはなく、もし前年から2%以上増やした場合、その増加分の12%の控除額を加算する仕組みですが、この点も拡充される見通しです。

事業承継税制の充実

「10年間で徹底的な世代交代をはかる」ことを目標に掲げ、中小・零細企業の代替わりを促すため、相続税や贈与税の納税猶予制度である「事業承継税制」が、更に、使い勝手が良くなるように改正されます。この事業承継税制は発行済み株式の3分の2について8割まで納税を猶予する仕組みですが、5年間、雇用の8割を維持すること等の適用要件が障害となり、活用が進んでいません。負荷を掛け一気に世代交代を進めるため、10年間限定で雇用維持条件を撤廃する案を中心に検討が進められます。

所得税の控除制度の見直し

多様な働き方が広がり、フリーランス等の請負契約で働く人が増えていることから、の基礎控除を38万円から50万円へ増額する一、高収入の給与所得者の給与所得控除や高収入の年金所得者に対する公的年金控除を縮小する方向で検討が進められています。


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