どん底を味わった夕張は必ず再生する! <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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ピーク時11万7千の人口が、2006年の財政破綻以来、若者やファミリー層の流出が止まず9千人を割る窮地に立たされる夕張市ですが、プレジデント10月号は、「この10年のどん底から見えて来たものがある」と云う鈴木市長との対談記事を掲載しています。それは課題先進国日本の再生、引いては、廃業続出で先が見えない中小企業再生のヒントともなるものであり、。以下、要約抜粋して紹介させて頂きます。

極限まで身を削りがむしゃらに改革断行!

11校の小中学校はそれぞれ1校に統合、公園など公的施設を次々閉鎖、市職員は400人から160人へ、市長の年収は70%カット、市職員も最大で40%カット、水道料金を引き上げ、固定資産税や市民税も法律上の限界までアップし、行政サービスを真っさらにしました。

病院が消え、死亡率・医療費・救急車の出動回数、全てが下がった!

高齢化率1番の夕張市で、高齢化率が高まれば高まる程増えるはずの死亡率・医療費・救急車の出動回数が、何故下がったのか? 夕張の診療所所長であった森田医師は、「予防の意識ですね。市民が予防の方に意識を変えた。病院があるから安心、ではなくて、しっかり自分で出来る事はやるんだぞ、と。病気の原因である生活習慣病にならなければいい!と。この予防の意識です」と断言します。また、病院のない夕張では医師が患者の自宅や特別養護老人ホーム等の施設に気軽に足を運びます。医師が日常的に自宅や施設に来てくれれば、遠くの病院へわざわざ足の延ばす必要もなく、最期まで自宅で踏みとどまる気持ちになります。高齢になると、いずれ医療が解決できない終末期がやってきます。その時に、しっかりと終末期のイメージを持っているか、家族と話し合っているか、地域の人達とそういう話をしているか。夕張では逆に、看取り(自然死や平穏死と呼ばれる老衰死)は増えています。要は、予防の意識を高めること、そして年をとってきたら、地域皆でその命を受け止める、そういう暖かい地域社会を作ること、これが医療問題を解決するポイントだと思います。

補助金がなくても、本当に必要なものは必死で守ろうとする!

夕張市では、破綻前に1億円の補助金を得て始まった映画祭が今も続いています。この映画祭は、まだ見ぬ新しい才能の発見・育成や、映画による世界各国間の文化交流・相互理解の促進を通じ、市民、映画人、観客の三者のコミュニケーションによる出会いの場の提供を目的とし、補助金がなくなっても、夕張再生の象徴として、映画祭を愛する市民自らが毎年必死に6千万円~7千万円を掻き集めて継続しています。補助金がなくても、本当に必要なものは皆なで必死で守ろうとするのが人間です。


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