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和泉俊郎(いずみしゅんろう) / 税理士

和泉税理士事務所

コラム

税法を超える租税条約は難物!  <浦安市川の中小企業支援コラム>

2017年9月4日

コラムカテゴリ:ビジネス

関与先に税務調査が入っていますが、税目は法人税や消費税ではなくて、源泉所得税です。幾つかの論点がありますが、 一番の難物は租税条約が絡むものです。

5年前に米国のLLC(:Limited Liability Company)に支払った著作権の使用料について、本来は10%の源泉税徴収すべきところ、日米租税条約に基づき租税条約の届出を提出の上、免税措置を受けているのですが、税務調査で課税当局は以下を主張して来ました。

1)米国LLCが課税方法として、その法人そのものではなく、その構成員への課税を選択しているとき、その課税される構成員が米国の居住者である場合にのみ、この免税の適用がある。
2)租税条約の届出書には2名のみ記載があるが、構成員がこの2名以外にいないのか、また、他にいる場合はその者が米国の居住者であることを証明して欲しい。
3)上記2)の証明が出来ない場合、届出書の不備により、免税の適用は出来ない。

日本の税法では、「LLCが米国の税務上、法人課税又はパス・スルー課税(構成員課税)のいずれの選択を行ったかにかかわらず、“外国法人”として取り扱うとされ、構成員が誰なのか、また、構成員が米国の居住者か否かの問題は出ないはずですが、租税条約の取り扱いは日本の税法に優先するとされており、課税当局の主張には一理あります。

一方、当該のLLCとは連絡が取れず、上記2)の証明が出来ない状況の中、対応に苦慮しています。

構成員は二人との前提でその二人の居住者証明を添付して届出を出しているのに、届出に不備があるのであれば、何故かくも長期間、放っていたのか? と関与先は憤懣やる方ありません。

かくの如く、税法を超えて適用される租税条約は難物です。

 
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