投資したくなる社長になれ！　　　＜浦安・市川の中小企業支援コラム＞

ＩＴ起業支援のため、既に130社を超える企業への投資実績を持つサムライインキュベートの創設者・榊原社長が、投資したくなる会社の社長脳（思考・行動）について、自らの体験も踏まえながら、熱く熱く語っています。日経トップリーダー7月号より、以下要約抜粋して、紹介させて頂きます。

「どうしてもこれを本気でやりたい！」が最初の一歩！

ＩＴ起業家へ投資する基準は二つあります。一つは、起業のコアな動機なり目的について、「どういう人がどんなことで困っていて、それをどう解決するか」を10秒で言えること。課題を解決するのが起業家です。ぼんやりとした内容ではダメです。10秒は意外に長い。それでも「どうしてもこれを本気でやりたい」と思っていないと、なかなかシャープに言えないものです。もう一つの基準は、ストレス耐性が高いかどうかです。ストレス耐性が低い人は起業家向きではないので、そこはシビアに見ています。投資がほぼ決まったときに、事業計画に関する“重め”の宿題を出します。それを期限内に提出できるかを見ます。また、過去にどんな挫折や苦労をしていて、どう工夫してクリアしてきたかも聞いています。この時に、他人に責任転嫁しない人が起業家向きです。

求められるのは壁を突破する力

私は2008年に「日本発のグローバル企業を生み出したい」とサムライインキュベートを設立しましたが、幾ら活動しても世界が見えて来ませんでした。そして、世界中の投資家との交流で気付いたのが、世界的企業の創業者にはユダヤ系の人が多いと言うことでした。また、ユダヤ人は「友達の友達は友達」と言う。ここを押さえれば、世界に人脈が広がるかも知れない、それが世の中を変えるのに一番手っ取り早い方法だと思ったのです。更に、イスラエルはハイテクベンチャーが集積する第二のシリコンバレーとして世界中の注目を集めていますが、日本企業はほとんど進出していません。まるで、僕のために市場を残しておいてくれたのだと思いました。そこで、TOEIC365点と英会話力がないながらも、単身イスラエルに乗り込んで、2014年支社を開設しました。壁を突破する力が起業家には必要です。「戦争→怖い！」と短絡的に考えていたら行かなかったでしょう。僕の行動を見て、「自分にも出来る！」と思ってもらえたら良いですね。

問題を楽しめ、それが人生だ！

今の日本では、相手の立場になって考えることが、実は少ないと感じています。イスラエルで天才とはどんな人かと問うと「相手の気持ちが分かる人」だという答えが返ってきます。僕自身も、いろんな方法で相手の立場になる力を鍛えている。お客様の気持ちが分かれば、売れる製品やサービスが作れます。イスラエルの街を歩いていると、「問題を楽しめ、それが人生だ（Enjoy　Your　Problems,　It’s　Life）」という落書きを良く目にします。イスラエルの政情は不安定で、問題ばかりと言っていいでしょう。でも、問題の多さすらも楽しめるからこそ、イノベーションが産み出されるのです。


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