値上げでしても顧客が離れない！　　＜浦安・市川の中小企業支援コラム＞

2017年5月1日

コラムカテゴリ：ビジネス

ハンバーガー業界第2位のモスバーガーは、2015年春、食材や人件費の高騰に耐えきれず全商品を10％値上げした。大ハンバーガー業界第2位のモスバーガーは、2015年春、食材や人件費の高騰に耐えきれず全商品を10％値上げしました。櫻田会長は大幅な顧客離れを覚悟したとのことですが、リピーターを主力とする大半の顧客は離れなかったとのことです。顧客離れを防いだ経営の要を、日経トップリーダー4月号他より、以下要約抜粋して紹介させて頂きます。

泊まり掛けの議論の末、原点回帰を決意！

危機感を募らせ、本部とフランチャイズ加盟店の互助組織（共栄会）の幹部が泊まり込みで議論の末、「創業者が掲げた原点に立ち返ろう！」と認識を新たに出来たことが大きかった。創業者が遺したのは「人間貢献・社会貢献」と云う経営哲学。「お客様に心から奉仕すれば、お金は自然に入ってくる。追いかけて無理につかみ取ろうとしてはいけない」と、簡単に言えば、「今自分に出来ることをささやかでもいいからやり抜き、お客様から感謝されるような良い店を作りなさい」と云うこと。　　　　　　　　　　　　

欲望と志は違う！

創業者も最初から信念を持っていた訳ではなく、挫折を繰り返す中、自分の考え方を確立して行ったのだと思います。例えば、こんな話をしていました。1号店をオープンして暫くした頃、会社員（日興証券）時代に通っていた和食店の女将さんが様子を見に来たことがあった。すると、創業者はげっそりとやせて疲れた表情で無精髭を生やしていた。それを見た女将さんは「あなたね。商売する顔じゃないわよ。これだったらお客さん絶対に入らない。笑顔を出すことが商売の最初の第一歩なのよ」。女将さんは創業者の心の中に「とにかく成功したい。儲けたい」と云う欲望が前面に出ていることを見抜いて戒めたのです。それを創業者は肝に銘じ、部下に繰り返し話したのです。「欲望と志は違う。欲望は自分の為に行動するが、志は他人の為に行動することを指す。欲望を完全に消し去ることは出来なくても、少しでも志を持って働かないと駄目だ」と。　　

何があっても、馬鹿みたいな情熱を持ち続けること！

創業当初は、売上が伸びず借金が嵩む中、過労でダウン、自宅マンションを売却し、借金を返済した辛い時期でしたが、そんな過酷な状況の中、「馬鹿みたいな情熱を持ち続けること。楽天的に考えること。こんなに損をしたと思い悩むか、これだけで済んだ、と考えるかでその後の立ち直りに雲泥の差が出る」との信念が生まれたのだと思います。創業者の理念に立ち返り、商品とサービスの質を良くする為、多少のコストアップはあっても、従業員を増やし顧客満足度を高めよう、お客に目線を合わせ笑顔で出迎える基本を徹底しよう、改善へ向けた覆面調査結果を全店舗へ公開し切磋琢磨しよう、などの取り組みが功を奏している。

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