基礎控除引き下げ後 相続税の申告はどう変わったか?   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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平成27年1月1日以降に発生した相続から、相続税の基礎控除額4割引き下げが適用となりましたが、先般、国税庁は平成27年中(平成27年1月1日~平成27年12月31日)に亡くなられた方から相続や遺贈などにより財産を取得した納税者に係わる相続税の申告状況の概要を公表しています。骨子は以下の通りです。

申告件数はほぼ倍増!

平成27年中に亡くなられた方(被相続人数)は約129万人(平成26年約127万人)で、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万3千人で平成26年の約5万6千人から、ほぼ倍増しました。課税割合は8.0%(平成26年4.4%)となっており、平成26年より3.6ポイント増加しました。 政府が事前に予測した6%を大きく上回る結果となりました。

また、地域別の課税割合は東京が15.7%と平成26年の9.7%から6.0%アップ、千葉県では4.0%アップ、神奈川県では5.4%アップとなっていて、都市近郊での相続への影響が大きかったことが分かります。

課税対象の相続財産は3兆円増加も一件あたりは6千万円減少!

課税価格(課税対象の相続財産)の合計は14兆5,554億円(平成26年11兆4,766億円)で3兆円増えましたが、被相続人1人当たりでは1億4,126万円(平成26年2億407万円)と6千万円の減少となり、課税価格が1億円以下の事案が6割弱で、平成26年比では倍増に近い数値となっています。

土地から現預金へ相続財産のシフトが鮮明化!

相続財産の金額の構成比は、土地38.0%(平成26年41.5%)、現金・預貯金等30.7%(平成26年26.6%)、有価証券14.9%(平成26年15.3%)の順となっており、土地から現預金へと相続財産の比重のシフトが鮮明になっています。


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