赤貧でもしつこさで勝つ!   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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放映権料が落ち込む中、球界再編の嵐にも巻き込まれ、一時は球団存続が危ぶまれた広島東洋カープが25年振りにリーグ優勝を果たしました。日経トップリーダー12月号は、チームカラーに掛けて「赤貧の球団」とも揶揄された資金難を克服し、今や球団経営の先駆者として名を馳せる広島東洋カープ/松田オーナーを特集しました。松田オーナーが語る球団経営への「熱き思い」を、以下要約・抜粋して紹介させて頂きます。

球場のコンセプトは三世代の集いの場

この球団は原爆投下の5年後にリーグに参加した。これはすごいよ。当時の人の情熱を察すると、ワシは涙が出てくる。どんな思いでこの球団を作ったのか。その苦労があったからこそ、今があるのだから、我々は耐えて頑張っていかなくちゃいけない。新球場建設の際は、子供も親も楽しめる、60代・70代の人達が足腰が弱くなっても楽に来られる、3世代が喜ぶ「集いの場」にしようとの思いが一番だったね。

コストの掛からない原石を磨き上げて金持ち球団に勝つ!

ドラフト制度は「赤貧のカープにとってアゲンストだ」というけれど、絶対に勝つ道はあるとワシは言っていたし、信じていた。絶対勝ってやろうと思ってやって来た。身体が屈強で「何が何でも野球で食っていく!」というパッションを秘めている原石をスカウトしコーチが磨き上げる「育成チーム」を巧く作ることで、良い選手が出てくる。その選手達で金持ちの球団を叩きのめしてやりたいという気持ちでずっと頑張って来た。

グッズ販売に活路!

テレビの放映権収入がガタッと下がりだして、昔30億円位あったものが12億円位まで落ちてきた。代わりになるものを見付けようとグッズを伸ばすことに決めた。最初は3億円位じゃったが、今年は50億円位まで行く。ただ、ワシのやり方は「しつこい」と言われるんじゃ。ワシは死に金は嫌いじゃけぇ、それは一銭も使いたくない。マツダが苦しい時代に経理の原価計算課にいて、その後もずっと、もの凄く仕事が細かい部署におった。マツダで教育してもらわんかったら、こんなことは出来んかった。

最悪の状況をいつも想定しながら物事を考える

うちは従業員200人の中小企業だから、意志決定が早い。ただ、絶対楽観的に見ん。悲観的。だから疲れるんじゃ。最悪の状況をいつも想定しながら物事を考えるから、何か起きたときにあんまり慌てることはないんよ。良かったら安心じゃ。有り難い。10年後も20年後も球団として先駆者でありたいよね。どこよりもチャレンジして成果を出し、それを球界に広めることが出来たらいい。地方にありながら、この部分については何処にも負けたくないと、いつも思っている。


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