7月1日の地価 浦安市の宅地は上昇に転じる!  <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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9月20日、国土交通省は2016年7月1日時点の基準地価を公表しました。全国商業地の地価は前年比0.005%アップと、若干ながら9年ぶりに上昇に転じています。背景には、訪日外国人の増加に対応するため、店舗やホテル用地への需要の高まりがあります。

三大都市圏より大きかった地方中核都市の商業地上昇率

マイナス金利でだぶついたマネーが地方の中核都市に流れ込み、札幌、仙台、広島、福岡4市の商業地上昇率は6.7%となり、三大都市圏の2.9%を大きく上回る結果となりました。福岡県の商業地は前年の0.2%下落から1.1%上昇に転じ、広島東洋カープの25年ぶりのリーグ優勝に沸く広島市の中心部では15%を超す上昇地点が出ています。中長期国債の利回りがマイナスに沈み、利回りを求める投資資金が地方の不動産に向かっており、訪日客に人気がある京都市や北陸新幹線の開業効果が続く金沢市でも2割を超す上昇地点が出ています。

全国で最も地価が高かったのは東京・銀座の「明治屋銀座ビル」で、地価は1平方メートルあたり3300万円と、リーマン危機前の08年(3000万円)を上回り、バブル期のピーク(3800万円)に迫っています。

住宅地は25年連続でマイナス

全国の住宅地は0.8%の下落で実に25年連続のマイナスでした。マンション価格が一戸建てを上回る等の異変も起こっており、住宅需要は引き続き盛り上がりに欠けています。そんな中、東日本大震災で液状化被害を受けた浦安市の住宅地は、東京都心に近いことなどから、住宅需要が回復し、上昇に転じています。市川市も八幡で2.4%の上昇となりました。住宅地の上昇率が27.3%と全国1位になったのは、何と北海道の倶知安で、背景には、ニセコのスキーリゾートを目当てに別荘を建てたい外国人の購入希望が殺到していることがあります。

今後の地価の展望

東京の地価は2020年の五輪までは緩やかな上昇が続くとの見方が大勢ですが、懸念材料もあります。銀行の企業向け融資が全般的に伸び悩んでいる中で、不動産向け融資は突出していて、4~6月の新規分だけで3兆円超に膨らんで、バブル期のピークを超えたとも言われています。東京・銀座は、3年間で地価が2倍に上昇しており、金融緩和で行き場を失った資金が投機に流れ、新たなバブルの芽が生まれている可能性があります。


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