相続税の申告件数は1.7倍へ   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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平成27年月1日以降の相続発生から非課税枠が4割減少するため、相続税の申告件数が1.5倍になるとの予測が専らだったのですが、相続税に特化した某大手税理士法人によると、実績は1.7倍と予測を上回る数値になったとのことです。

主要3要件の変更

相続税の税制改正に伴い、平成27年1月1日以降、下記3つの主要要件が変更されました。

1)相続税の基礎控除が6割へ 
改正前:5000万円+1000万円×法定相続人の数 
改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数

2)生命保険金の非課税の縮小 
非課税限度額そのものは「500万円×法定相続人の数」で変わりません。然し、これまで死亡保険金の取得者に限定はありませんでしたが、改正により、相続人以外の者が取得した死亡保険金には非課税の適用はないこととされました。なお、各相続人一人一人に課税される金額は、次の算式によって計算した金額となります。

その相続人が受け取っ保険金の金額(A)-非課税限度額x(A)÷全ての相続人が受け取った保険金の合計額

3)最高税率の引き上げ
2億円超から3億円以下の部分にかかる相続税率は40%から45%になり、最高税率が50%から55%へ引き上げられました。

過去の課税割合の推移

過去の課税割合の推移は下記の通りで、毎年増加していますが、この割合には小規模宅地等の減額等の特例を受ける為に申告をしたものの、結果として税額が発生しなかった事案はカウントされていません。

平成23年 4.1%
平成24年 4.2%
平成25年 4.3%
平成26年 4.4%

平成27年の相続税の申告状況については、例年、国税庁は12月に公表するため、現時点では正確なことは分からないのですが、少なくとも、大方の予測の1.5倍を下回ることはなさそうです。


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