7月1日に公表された平成28年度路線価より   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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国税庁が1日発表した2016年分の路線価(1月1日時点)は前年比0.2%のプラスとなり、金融危機前の2008年以来、8年ぶりに上昇に転じ、札幌、金沢、福岡など10都市の最高路線価は2桁の上昇率で、地価上昇が三大都市圏から地方の中核都市へ広がってきている様子が分かります。

銀行が不動産業向け融資を増やしているほか、利回りを求めて不動産投資信託(REIT)にも投資資金が流入しており、堅調なオフィス需要や外国人観光客の増加が地価上昇へ寄与しているようです。

三大都市圏の上昇率

三大都市圏の地価上昇率は一段と拡大し、大阪市北区角田町の御堂筋は22.1%、中央区銀座5丁目の銀座中央通りは18.7%上がり、鳩居堂(きゅうきょどう)」前の銀座中央通りの路線価は1平方メートル当たり3200万円で、31年連続日本一。リーマン・ショック前の平成20年(3184万円)の水準に戻り、バブル期のピークだった1992年の87%の水準まで回復しています。3位は京都市下京区の四条通り(16.9%アップ)、4位は名古屋市中村区の名駅通り(14.1%アップ)となっています。

千葉県内の状況

千葉県内の対前年平均上昇率は0・4%で、3年連続でアップしています。1平方メートル当たり132万円の「船橋駅前通り」(船橋市本町1丁目)が3年連続で県内トップとなり、「千葉駅側通り」(千葉市中央区富士見2丁目)は対前年変動率2・8%の112万円となり、8年ぶりに上昇に転じています。

県内の13税務署管轄地域別では、6税務署管内で上昇し、トップは船橋の3・1%(前年は2・4%)、以下、千葉東2・8%(同マイナス1・8%)千葉西2・7%(同1・4%)、松戸2・4%(同1・2%)、市川2・3%(同2・3%)、柏0・8%(同0・8%)となっています。
 一方、横ばいは千葉南、館山、木更津、佐原、茂原、東金の6税務署管内で、昨年は3税務署管内で下落したのですが、今年は銚子のマイナス1・2%(同マイナス1・2%)のみになっています。

地価の今後の見通し

銀座の実勢価格は3年でほぼ倍になり、都心では高値警戒感が出ていると言われ、また、年明け以降に円高が進み、以前ほど外国人投資家が目立たなくなっており、1~3月の商業用不動産の投資額は前年同期比28%減で、足元の不動産市場は変調の兆しが出ているようです。


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