平成28年度税制改正 雇用促進税制と所得拡大促進税制の併用  <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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日本経済の先行きに暗雲が立ち込める中、3月29日、平成28年度税制改正法案が可決成立しました。今回は、平成28年度税制改正の内、所得拡大促進税制との併用が認められることとなった雇用促進税制と所得拡大促進税制を、以下にて取り上げたいと思います。

改正の背景

新たな雇用機会の創出を目指す雇用促進税制と給与水準の底上げを目指す所得拡大促進税制は、その目的を異にするためこれまで併用が認められませんでした。然しながら、雇用機会が不足している地域の雇用創出が喫緊の課題であることから、雇用促進税制の適用地域を限定した上で、新たに併用が認められることとなりました。

雇用促進税制の改正

雇用増の場合、一人当たり40万円の税額控除が出来る制度ですが、平成28年4月以降開始事業年度から、適用対象を雇用機会が不足している地域において無期雇用且つフルタイム雇用した場合に限定の上、「新規雇用数(全体の増加者数が上限)x40万円」の税額控除(法人税額の10%<中小企業は20%>が上限)を認めるとされ、適用期間も2年間(平成30年3月末までに開始する事業年度まで)延長されました。

併用が認められる所得拡大促進税制の改正

給与等支給額を基準事業年度(平成25年4月1日以降に開始する最初の事業年度)の支給額から以下の割合以上増加させる等一定の要件を満たす場合、給与等支給増加額の10%を法人税額(または所得税額)より税額控除(雇用促進税制と同じ上限有り)出来る制度です。

①平成27年4月1日から平成28年3月末までに開始する事業年度 3%
②平成28年4月1日から平成30年3月末までに開始する事業年度 5%

改正の併用を適用する場合、増加割合の算定は従来通りですが、所得拡大促進税制において10%を乗じる給与等支給増加額については、雇用促進税制の対象となる増加雇用者の給与額を給与等支給増加額から控除して計算することとされましたので、この点注意が必要です。

こちらのコラムも是非お読み下さい。
http://mbp-japan.com/chiba/izumi/column/3723/


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