相続税実地調査で82.4%が申告漏れ!   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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先般、国税庁が公表した「平成25事業年度における相続税の調査状況について」によると、平成23年及び24年中に行った相続税の実地調査約12千件の内、申告漏れ等の非違行為があった件数は実に82.4%に昇ったとのことです。

以下要約して紹介致します。

最近の傾向

最近の傾向として、海外資産の申告漏れが急増しています。平成24年事業年度は26億円であった申告漏れ額が、平成25事業年度においては163億円で、前事業年度比620%へ急増しています。

また、申告漏れの相続財産の金額は、3,033億円で、その内訳は、現金・預金等が1,189億円(39.2%)で最も多く、次いで土地412億円(13.6%)、有価証券355億円(11.7%)と、これら上位3つで三分の二を占めています。

申告漏れを防ぐためのポイント

相続税の申告漏れ等があった場合、追加の税金(加算税等)を支払うことになります。また、仮装・隠蔽の意図があると判断されると、35%の重加算税が課税されます。本年より基礎控除が大幅に引き下げられ、多くの人が相続税の申告を行うことになりますが、加算税が課税されないためにも、以下の注意点を押さえておきたいものです。

1) 被相続人(亡くなった方)の現金・預貯金や有価証券に漏れがないか
  金庫や貸金庫に現金や預金通帳が隠れていることもあります。これらも含め丹念に調査して下さい。

2) 名義預金や名義株はないか
  名義預金や名義株とは、配偶者や子・孫等の名義に成っているが、実際には被相続人がお金を出し、実質的に被相続人の財産と認定される預金や株のことです。名義通りに所有権を認めてもらうためには、以前ご紹介したチャンとした贈与をしたことの証拠書類(贈与契約書・通帳移動・届出印は受贈者が保管等)を残しておく必要があります。

3) 海外資産はないか
  100万円を超える金額を海外へ送金したり、海外から送金されたときは、銀行から税務署へ海外送金等調書が提出されtますので、税務署は海外とのやり取りを把握しています。例えば、被相続人が国外不動産を譲渡したときの譲渡代金を相続税の申告に入れていなかった場合、申告漏れを指摘されることになります。課税当局は海外資産へ注目していますので、外資系金融機関と取引していた場合含め、海外資産は漏れなく把握する必要があります。




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