日本のベンチャー起業家の草分け 堀場氏が遺したもの   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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日本を代表するベンチャー起業家、堀場雅夫氏が、戦後70年を一心不乱に駆け抜け、90歳で経営者人生を閉じました。

日経トップリーダーは「(病院でのインタビューで)いざ話を始めると、闘病中とは思えないほど背筋をピンと伸ばしながら、経営の要諦を開陳した。その凜々しい姿はリーダーの何たるかを教えているようで、感動した」と結んでいます。

以下、堀場語録とご子息談を要約抜粋して紹介させて頂きます。

自分が好きで得意なことだけをトコトンやれ

自分が好きで得意なことだけをトコトンやれ。イヤだと思うことは堂々とやめてええ。さすれば人生、きっとうまくいく。おもしろく仕事をすると疲れない。だから、面白く働くことこそ、人間の自然の姿。仕事が苦痛という考え方は間違っている。苦しいなら工夫して面白くすれば良い。生き生きと人生を送る社員からは新たな製品や事業を生み出すアイデアが必ず出てくる。

フルスロットルで走ったことありますか

フルスロットル(アクセル全開)で走ったことありますか。フルスロットルでいっぺん、1週間でも1カ月でもやってみろと。本当の能力が出てきますよ。2日徹夜したら3日目は死ぬとかって言うけど、死なへんねん、そんなもの。若手社員は、がんがん勉強して、とにかく自分を磨くことや。人間、「絶対にやりたい」と思い詰めれば、100%は無理でも50%くらいのことは成就する。できないのは簡単に諦めるからや。誰でも人生は一回限り。文句を言わんと、やれ! 僕が言いたいのは、このことや。僕自身、何度も失敗しているが、土俵際まで追い詰められ、それでも頑張ろうとしていると「それは面白い。やってみろ」と助けてくれる人が現れた。

最後の最後までベストを尽くす

(子息の堀場社長談)父は昔から「常にベスト」とよく言っていました。「これだけやってきたからもうええやろ、では駄目。常に上を見て行く、最後の最後まで、気持ちを緩めることなくベストを尽くすことが大事や」と。「人生において、うまくいくことはほとんどない。でも、最初から諦めるんじゃなく、何事もやってみないと分からない。中途半場な下心で取り組んだことはろくな結果にならないけれど、“論理的に正しく、企業哲学に合致し、商売になる”のなら、確固たる信念に基づいて挑戦し、継続していけば必ず結果が出る。だから、勇気を持つ、そして信念を持つ。それが大事や」と繰り返していました。今の世の中に欠けているのはその勇気だと思うんです。

日本人は潜在能力がすごく高い

大丈夫。何を慌てている。全く日本人というのは能力を過小評価していて、いつも悲観論ばかり。ウチの従業員の半分は欧米人。いろいろな国の連中を見たり話をしたりしているが、やっぱり日本人は潜在的な能力がすごく高いと実感する。


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