対応力と人間力を磨け!   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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将棋電王戦は3年目にしてやっとプロ棋士団が将棋ソフト団に勝ったと報道されています。

将棋ソフトは事前にプロ棋士団へ貸与され、プロ棋士団は弱点を把握した上で戦いに臨み、それでも3勝2敗の薄氷的勝利でした。改めて人工知能の凄さに驚きますが、COURRIER5月号は、世界トップクラスの人工知能研究者松尾准教授を迎え、「人工知能時代に人間に求められる能力」に焦点を当てています。以下要約抜粋して紹介させて頂きます。

長期的には人間の仕事は大きく二つしか残らない

人工知能に各種の仕事が取って代わられ、長期的には、人間の仕事は大きく二つしか残らないと思います。一つは、政治や企業経営等、大局的な判断を要し、大きな責任も求められる仕事、もう一つは、営業や飲食店の接客等、人と直接触れ合う仕事です。どんな時代になっても、人間は人間と触れ合わずには生きていけません。人工知能が発達すると、逆に、その部分の付加価値が高まるでしょう。

人間は何をやれば良いか

頭を使う仕事が人工知能に置き換わってくると、人間は何をやれば良いかですが、人工知能に「計算の目的」を教えることが重要になってきます。車の自動運転一つとっても、実は色々な議論が生まれます。「事故を起こしてはいけない」と教えるのであれば、そのために最小化すべき目的関数を人口知能に与えなければなりません。では、その目的関数は何にすれば良いか。事故の件数なのか、死亡者・重傷者の数か等々。例えば、自動運転で走っている車がバスと衝突しそうになった。このまま真っ直ぐぶつかると、乗客に多数の重傷者が出てしまう。一方、バスを避け車だけが引っ繰り返るのであれば、車の一人は死亡しても乗客は全員無事。さあ、どちらにするか、と云う問題です。人工知能は目的まで考えることは出来ませんから、目的は、人間が自らの価値観に基き決め、与えるものです。従って、人間は、「何が価値なのか」を真剣に考えなければならなくなります。幸い、人工知能が社会の様々な実務を効率的にこなしてくれるお蔭で、人間は思索を深める時間を持つことが出来ます。

多様な価値観を持った人達と人間関係を築く力=人間力

人口知能時代には、細かい知識を覚える必要性はなくなりますが、検索のキーワードが閃くように、物事を抽象化(意味や本質を理解し大掴みすること)して記憶し、目の前の現実に巧く適用し、臨機応変に対応する能力が重要となります。もっと大切なのは、多様な価値観を持った人達と人間関係を築く力、「誰とでもバーベキューを楽しむ力」ですね。これを鍛えることが、人工知能時代の「帝王学」です。「英語やプログラミングはもういいから、人間力を鍛えなさい」と云うことです。


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