公表された法人税・消費税の税務調査事績   <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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国税庁は、適正かつ公平な課税を実現するため、税金の申告・納付に関して的確な指導を行うとともに、不正に税金の負担を逃れようとする納税者に対しては、さまざまな角度から厳正な調査を実施しています。 平成25事務年度における法人税等の調査については、社会・経済情勢の変化を踏まえつつ、無申告法人事案や海外取引法人事案、消費税還付申告法人事案に重点的に取り組むなど、波及効果の高い調査の実施に努めたとのことです。

今般、平成25事務年度の法人税・法人消費税等の調査事績が公表されましたので、その概要を報告します。

法人税の調査事績の概要

平成25事務年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人9 万1 千件について実地調査を実施。 このうち、法人税の非違があった法人は6 万6 千件 、その申告漏れ所得金額は、7,515億円、追徴税額は1,591億円 となった。

法人消費税の調査事績の概要

平成25事務年度においては、法人消費税について、法人税との同時調査等として8万7千件の実地調査を実施。 このうち、消費税の非違があった法人は4 万9 千件、その追徴税額は378億円となった。

無申告企業の摘発

事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものであることから、国税庁では、こうした稼働無申告法人に対する調査に重点的に取り組んでいる。 平成25事務年度においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人約3千件(前年対比72.1%)に対して調査を実施し、法人税34億円、消費税35億円、合わせて69億円(同69.0%)を追徴課税した。 この中には、稼働している実態を隠し、意図的に無申告で あったものが約2百件あり、法人税21億円、消費税7億円を追徴課税した。

海外取引法人の摘発

企業等の事業、投資活動のグローバル化が進展する中で、海外取引を行っている法人の中には、海外の取引先からの売上を除外するなどの不正計算を行うものが見受けられ、このような海外取引法人等に対しては、租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査に取り組んでいる。 平成25事務年度においては、海外取引法人等に対する調査を約1万2千件実施し、このうち、海外取引等に係る非違があった件数は、約3千件、申告漏れ所得金額は1,783億円となった。

消費税還付企業の摘発

消費税は預かり金的性格を有する為、より適正な税務執行が求められるが、虚偽の申告により不正に還付金を得るケースも見受けられるため、こうした不正還付を行う悪質な納税者に対して厳正な調査を実施している。 平成25事務年度においては、 消費税還付申告法人 約7千件に対し実地調査を実施し、消費税72億円を追徴課税した。また、そのうち約6百件は不正に還付金額の水増しなどを行っており、7億円を追徴課税した。


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