消費税率引き上げに伴うQ&A パートII

和泉俊郎

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1月20日に国税庁が公表した”消費税率引き上げに伴うQ&A”に関し、思わぬ波紋が広がっています。

それは、短期前払費用の取り扱いに関して、法人税法法や所得税法の規定と切り離なし、原則通り、実際の役務提供時の税率を適用すべしとした点です。多くの専門雑誌は3月末までに短期前費用で払い損金や必要経費として計上した場合は、5%だとしていたからです。

これに反して、Q&Aの回答は下記の通りです。

(短期前払費用として処理した場合の仕入税額控除)
【問】
当社(12月決算法人)は、平成25年12月に、平成26年1月から12月までの1年間の保守契約を締結し、同月中に1年分の保守料金を支払いました。この保守料金は月極めであり、契約期間が施行日(平成26年4月1日)をまたいでいることから、適用税率は次のとおりとなっています。
・ 平成26年1月から3月分までの保守料金には旧税率(5%)
・ 平成26年4月から12月分までの保守料金には新税率(8%)
当社は、この保守料金について平成25年12月期の法人税の申告において、法人税基本通達2-2-14《短期の前払費用》を適用し、その保守料金の全額をその支払った日の属する事業年度において損金の額に算入することとしています。ところで、消費税の課税仕入れの時期についても、基通11-3-8《短期前払費用》の規定により、その支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱うこととされていますが、この場合、当社は平成25年12月課税期間の消費税の申告において、当該保守料金の仕入税額控除の計算はどのように行えばよいのですか
【答】
平成25年12月課税期間に係る消費税の申告においては、
・ 平成26年1月から3月分までの保守料金(旧税率(5%)適用分)についてのみ、仕入税額控除を行い、
・ 平成26年4月から12月分までの保守料金(新税率(8%)適用分)に係る消費税等相当額については、仮払金として翌期に繰り越し、翌期の課税期間に係る消費税の申告において、新消費税法の規定(新税率(8%))に基づき仕入税額控除を行うこととなります。
なお、1年分の保守料金について旧消費税法の規定(旧税率(5%))に基づき仕入税額控除を行う場合には、翌課税期間において、新税率が適用される部分(平成26年4月分から12月分)について5%の税率による仕入対価の返還を受けたものとして処理した上で、改めて新消費税法の規定(新税率(8%))に基づき仕入税額控除を行うこととなります。

短期前払費用の消費税処理については、かなり複雑な処理となますので要注意です。


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