平成26年度税制改正大綱 年末での決定事項

和泉俊郎

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12月12日、政府与党は平成26年度税制改正大綱を公表しました。10月1日に公表された「秋の大綱」と今回新たに決定した「年末での決定事項」とに分かれていますが、今回は、「年末での決定事項」の内、主要な改正事項を以下にて取り上げたいと思います。

1)給与所得控除の見直し(高額給与所得者への課税強化)

現行の給与所得控除の上限額は年間給与収入1500万円超で245万円ですが、平成28年には1200万円超で230万円へ、平成29年には1000万円超で220万円にまで段階的に引き下げられます。

2)復興法人特別税の前倒し廃止(法人税の軽減)

平成24年4月1日以降開始事業年度から3年間、法人税額の10%を追加徴収する復興法人特別税が、1年前倒しで廃止されます。

3)交際費(社内接待除く)課税の緩和(法人税の軽減)

平成26年4月1日以降に開始する事業年度から2年間の時限措置として、資本金1億円超の大企業の飲食費については、上限を設けず、その50%まで税法上の費用(損金)として認め、1億円以下の中小企業については、800万円まで交際費の全額を損金算入出来る現制度とこの緩和措置との選択適用が認められます。

4)自動車関連税制(軽自動車増税、普通車減税)

平成26年4月に消費税率8%に上がる時点で、自動車の購入時に納める自動車取得税が普通自動車は5%から3%へ、軽自動車は3%から2%へ引き下げられます。一方、平成27年4月以降購入の自家用乗用車の軽自動車税が年7200円から1.5倍の1万800円に引き上げられ、自家用貨物車と営業用は約1.25倍に引き上げられます。

5)その他:
①地方自治体間の格差是正措置(法人住民税の再配分等)
②NISAの利便性の向上(非課税口座の変更可等)
③ゴルフ会員権等の売却損は損益通算の対象外へ(平成26年4月以降)
④消費税簡易課税制度のみなし仕入率の見直し(不動産・金融保険業)等等


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