土岐彰寿プロのご紹介
農産物に新たな価値を生み出し、地域農業の振興につなげたい（1/3）
農産物を乾燥・パウダー化する加工場を創設。小ロットから対応し、フードロス削減にも貢献
加速する高齢化や地方の過疎化を背景に、日本の農業は深刻な後継者不足に陥っています。
「『地域の農業を守りたい』と願う地元の方々の支援のもと会社を立ち上げ、2022年に農産物の加工場を稼働しました」。そう話すのは、青森県五所川原市にある「トキあっぷる社」の代表で、「株式会社礼門 農産物加工工場」を創設したりんご農家の土岐彰寿さん。形が悪かったり、作り過ぎたりして出荷できなかった野菜や果物、穀物の乾燥化やパウダー化を請け負っています。
「例えば、若い農家さんからの受託でりんごチップスを試作したり、余ったごぼうを粉末にしたり、お菓子メーカーさんのご依頼で地場産の米のみを使った米粉を作ったりと、さまざまなオーダーに応じています」
長期保存が可能で食品を廃棄するフードロスの削減に貢献するほか、使用方法の幅が広がり、農閑期の収入源にもなります。
「小ロットの1kgから受け付けていますので、『まずは試してみたい』という方もお気軽にご利用いただけます」と土岐さん。少量の対応に加え、「ホームページで価格が明示されているので頼みすい」と、関東や西日本からも声が掛かるそう。
また、自社製品の卸販売も手掛けています。中でも、近年、地元で生産量が増えている赤菊芋を使ったパウダーは、人気が上々だとか。
「弘前大学の研究で、赤菊芋には食物繊維のイヌリンが豊富に含まれていることが分かっています。粉状にすることで料理やドリンクに混ぜて手軽に摂取でき、健康志向の方を中心に売れ行きが伸びています。ポテンシャルを持った食品ですし、地域農業の振興のためにも販路を拡大したいですね」
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