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佐々木博一

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佐々木博一(ささきひろかず) / 墓石・終活カウンセラー

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コラム

檀家制度と離檀について考えてみました

2022年5月1日

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 終活 いつからお墓お墓参り

墓じまいをされる際に、必ずつきまとう問題のひとつに、「離檀」があります。

言葉は聞いたことがあるけど、具体的にはどういうことなのか、離檀をすると今までと何が変わるのか、実際にはよくわからずに離檀と言っている方も多く見受けられます。

墓じまいのご相談者との会話の中で、離檀についてお話を切り出すと、「ところで、離檀ってどういうことになるのですか?」などと、ご質問を受けることがあります。

初めて墓じまいをされる方にとっては、勿論離檀することも初めてになるはずです。
ですから知らなくても当然のことです。ですが、テレビなどで墓じまいの特集などを取り上げると、必ずこの離檀という言葉がくっついてきます。その影響もあってか、言葉だけが独り歩きしているようにも思います。

そこで今回は、この「離檀」について解説していきます。

離檀をするためには大前提があります。
それは、お寺との関係性で檀家になっている、という大前提です。

話は違いますが、離婚ができるのは、結婚している相手としかできません。離婚するのには、結婚しているという大前提があるのと似ています。

ところで、このようなお寺との関係性を「檀家制度」といいます。
離檀の解説をするためには、この檀家制度を理解しておく必要があります。

檀家制度とは、お世話になっているお寺と、私たちの関係性を指す言葉ですが、お世話になっているお寺を「菩提寺」といい、私たちのことを「檀家」と呼びます。

菩提寺の定義ですが、
〇 先祖代々のお墓があるお寺
〇 先祖代々の位牌があるお寺
〇 ご供養の時にいつもお世話になっているお寺
のことを菩提寺といいます。

墓地が公営の霊園だったり、町内の墓地であったとしても、位牌が置いてあったり、葬儀や年回忌の法要などを営んでくれるお寺があると思いますが、そのお寺のことです。

この檀家制度ですが、特定の寺院に属して葬儀や供養を任せる代わりに、お布施などによってその寺院を経済的に支援する制度だったようです。江戸時代から始まったと言われています。幕府がキリスト教を排除するために制定した「寺請制度」が由来とも言われています。

ですが現代では、この檀家制度という言葉だけが残っていて、制度とはいっても、法律的な拘束力などはありません。

この菩提寺との関係性を終わりにすることを「離檀」と言っているわけです。

墓じまいをすることと離檀することは、必ずイコールというわけではありません。
今後お墓を守っていくのが困難だから墓じまいをすることになるのでしょうが、埋葬されていた遺骨を菩提寺の永代供養に移したのち、ご自身が亡くなった時には、菩提寺に葬儀を依頼されることを望むのであれば、離檀せず檀家のままであり続けることもできます。

ですが大抵の場合、墓じまいをされるのと同じタイミングで離檀される人の方が大部分なのではないでしょうか。

墓じまいをされる方には、様々な事情があると思いますが、お墓が無くなってしまうわけですから、必ず別の場所、別の方法で供養を続けることになり、同時に遺骨もどこかに引っ越しすることになります。

つまりは、お世話になってきた菩提寺とは別な場所に遺骨を移す方がほとんどになります。
遺骨を移した時点で、菩提寺との関係性が終わることを意味します。

あくまでご近所としてのお付き合いなどは、今後も続くことになったとしても、菩提寺と檀家の関係性は失われることがほとんどではないでしょうか。

そこのお寺には、お墓も位牌も遺骨もなく、年回忌法要などもお願いしなくなります。また、お寺からの檀家向けの案内や管理費などの請求も来なくなります。

以上のようなことから、墓じまいをする際には、離檀という言葉がくっついてくることが多くなるのです。

では離檀をされた後に、年回忌法要や葬儀などはどこにお願いしたらいいのでしょうか。

遺骨の引越し先が別の寺院の墓地なら、その寺院の檀家になっているはずなので、そこの寺院に依頼することになります。
もしも、檀家にならずに公営の墓地にお墓を建立して埋葬されたり、海洋散骨や手元供養などのように埋葬以外の方法でご供養された時などは、魂入れの供養や年回忌法要だけでも受けてくれる寺院もあります。

以前は、先祖代々同じ寺院の檀家になることが一般的でしたが、核家族化や少子化など、家族形態が多様化している現代では、檀家離れが進んでいることもまた事実です。
様々な価値観を踏まえ、寺院側も柔軟に対応するところも増えていて、檀家にならなくても、葬儀や年回忌法要などを依頼できる場合もあります。

墓じまいを検討される時に、離檀についても考えなければなりません。
ですが、檀家であり続けることのメリットもあります。寺院が法要などを仕切ってくれますから、法要の後の会食などをお寺で行ったり、先祖供養のことや、その他冠婚葬祭のマナーなどについても相談にのっていただけたり、困った時の頼れる存在でもあります。

墓じまいと離檀をイコールとして考えるのではなく、本当に墓じまいが今必要なのか、その後の供養についても家族や親族、合わせて菩提寺にも相談してみるのがいいかもしれませんね。

次回は「離檀料について」解説したいと思います。

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この記事を書いたプロ

佐々木博一

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