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佐々木博一(ささきひろかず) / 墓石・終活カウンセラー

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コラム

八戸市合葬墓の使用者募集が始まりました

2022年3月1日

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 終活 いつからお墓お墓参り

墓じまいをされる方が全国的に増える中、いよいよ八戸市でも合葬墓の募集が始まりました。他の自治体でも合葬墓の建設が相次ぎ、3年ほど前からでしょうか、八戸市でも議会での議論が始まり、青森県内としては、弘前市、青森市に続き八戸市にも合葬墓が完成し、令和4年3月1日から募集が始まります。

そこで、今回は八戸市の合葬墓について市から公表されている内容についてお知らせしながら、解説をさせていただこうと思います。

まずは、八戸市合葬墓の【定義】です。
1.ひとつのお墓にたくさんの方々の焼骨を合同で埋蔵するお墓です。
2.個人での「墓石の建立」「維持管理」「引継ぎ」が必要ありません。
3.現在、お墓をお持ちの方は申込できません。(市営霊園を除く)
4.焼骨は納骨袋に移して、埋蔵していただきます。
5.埋蔵後の焼骨は返還できません。
6.納骨する際は管理事務所へ予約が必要です。
7.市では宗教的な儀式は行いません。
8.個人で儀式を行うことができます。管理事務所へ予約が必要です。
9.開門時間内はいつでも参拝いただけます。
以上九つの内容になります。

続いて、【申し込み資格】についてです。
1.焼骨を保有している方
以下、(1)・(2)全て満たしている方
(1)八戸市民で焼骨を保有している方、又は死亡時に八戸市民であった方の焼骨を保有している方
(2)使用できるお墓がない方
2. 生前予約
以下、(1)~(3)全て満たしている方
(1)満65歳以上の八戸市民で、ご自身のために申込する方
(2)使用できるお墓がない方
(3)ご自身の焼骨を埋蔵する方を選任できる方
3. 市営霊園の一般墓地区画の使用許可を受けている方
以下、(1)・(2)全て満たしている方
(1)市営霊園の一般墓地区画に遺骨を埋蔵している方
(2)一般墓地区画を返還すること
以上のようになっています。

そして気になる【使用料】ですが、焼骨1体につき65,000円となっています。

上記以外にも、【申込に必要な書類】【合葬墓使用までの流れ】【合葬墓使用上の注意・制限】なども細かく公表されていますが、より詳細をお知りになりたい方は、八戸市のHPまたは八戸市市民課までご連絡いただき、ご確認いただけたらと思います。

さて、公表されました合葬墓の定義と申込資格について文面だけを読んで、「これはどういうことなのだろう?」「どんな解釈をしたらよいのだろう?」と、あくまで私自身が感じた内容をピックアップして、解説していきたいと思います。

まずは、定義の3、「現在、お墓をお持ちの方は申込できません。(市営霊園を除く)」と
申込資格の3の(1)「市営霊園の一般墓地区画に遺骨を埋蔵している方」

ここの部分が、実は一番重要なことを示していると思います。
要は、「八戸市営の霊園を使用し埋蔵されている遺骨は合葬墓に移せるが、市営霊園以外の墓地(寺院墓地やみなし墓地など)を利用している方の申し込みはできない。」ということです。

言い方を変えると、市営の霊園を使用している方が墓じまいをされた時は、合葬墓に改葬できるが、その他の墓地で墓じまいをされた遺骨は、埋蔵(改葬)できないということです。

墓じまいをお考えの場合は、市営の霊園なら合葬墓という選択肢は増えましたが、その他の墓地の墓じまいの時は、合葬墓という選択肢はありません。
ですが、墓じまいをした後の、ご自身の埋蔵ということをお考えの時には、お墓がないことと、ご自身の焼骨を埋蔵する方を選任できる方であれば、合葬墓という選択肢は可能になります。

なので、ここで気を付けていただきたいのは、墓じまいをされた時に、そこに埋蔵されていた遺骨を合葬墓に埋蔵できるかどうかは、その墓地が市営の霊園かどうか、ということになります。

続いて気になったのは、定義の4、「焼骨は納骨袋に移して、埋蔵していただきます。」です。
現在、焼骨後に遺骨を入れる入れ物は、骨壺・骨箱・納骨袋のどれか、またはその組み合わせが八戸市では一般的です。それも葬儀社によってまたは料金やプランによって違っているようです。

合葬墓に埋蔵する場合、この納骨袋には指定があるのだろうか?また、これは誰が準備するものなのだろうか?
このような疑問が浮かんだのは、【合葬墓使用上の注意・制限】の中に、次のような文章の記載があったからです。

「埋蔵する焼骨」は、布製の納骨袋に入れ、袋に埋蔵者の氏名、亡くなった日を記入してお持ちください。という記載です。まだ市役所には確認はしていませんが、皆さんならどのように判断されるでしょうか。

ちなみに生前予約の記載はありますが、現時点ではまだ募集はしないようです。後日、広報などを通じて募集をするのではないかと思います。

そして最後に、その場での宗教的な儀式は個人で行うことは認めていますが、市では行いませんと、きっぱりと言っています。
これは、以前のコラム「合葬墓と永代供養墓の違い」でも述べさせていただきましたが、市では埋蔵するための場所や施設の提供はしますが、法事や宗教的な儀式を執り行うことはしません。ご自身の死後、お寺に供養を依頼しておくのなら、永代供養墓という選択が好ましいということになりますね。

このように、合葬墓ができたことによって、単純に全ての方に新しい選択肢が増えたということにはならないようです。墓地や住民などの条件が揃って、初めて選択肢が増える方がいらっしゃるということなのです。

それでも、ご自身でお墓を持たない、または持てない方、最期の自分の逝き場所が定まっていない方などにとっては、一筋の光になるものなのかもしれません。

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