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佐々木博一

葬送・お墓・供養にまつわる悩みを解消する終活のプロ

佐々木博一(ささきひろかず) / 墓石・終活カウンセラー

お墓総合サポートサービス

コラム

終活って、いつから、何から始めたらいい?

2021年5月16日

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 終活 いつからお墓お墓参り

「周りで終活に取り組んでいる人がいます。いざ自分もやってみようと思うのですが、何から始めたらいいのでしょうか?自分が始めるにはまだ早いのでは?」
終活セミナーや相談会の時にこんな声が寄せられます。

実際に終活に取り組んでいる人たちは、①何のために、②誰のために、③いつから、④何から始めるのでしょう。⑤そのきっかけは何だったのでしょう。

この『終活』という言葉は、2009年に週刊朝日に初めて登場した言葉だと言われています。終活という言葉は、「終焉活動」を略して使われています。
終焉活動という言葉から連想されるのは、お葬式の準備やお墓の準備など、死後の準備または、死がおとずれたときの準備と捉えられることが多いようです。

ですが、終活には死に対する準備という意味もありますが、これが全てではありません。

そこで、終活の定義ですが、「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ今をよりよく自分らしく生きる活動」のことを終活といいます。(一般社団法人 終活カウンセラー協会)

自分や身内が亡くなった時のための準備というよりは、今の自分を見つめ、今を、これからの人生を自分らしく生きるための活動なのです。
このことから、①何のためには、自分らしく生きるため、ということになりますよね。

次の、②誰のためですが、自分自身のためでも、ご両親やご家族のため、身内や友人のためでもいいと思います。誰かのためになることをやってあげることは、その人のためになるとともに、やってあげたいという思いを持った自分のためにもなるからです。

そして、③いつから始めたらいいのか。ここが一番の悩みどころのようです。
若いうちは、なかなかその気になれなかったり、始めたものの続かなかったり。正直、それでいいと思います。いつから始めたらいいとか、いつまでにやらなければならないと、自分を拘束する必要は全くありません。

始めるタイミングは、⑤きっかけがかなり影響しているように思います。
誰かに勧められたから、というきっかけもあると思います。ですが、自分自身の体験がきっかけとなっていることも多いようです。

体験とは、例えば、親が亡くなり喪主をすることで、故人の想いが分からなくて困った、親の介護が必要になった、自分自身が病気になったなど、様々な何かしらの体験がきっかけとなり、終活の大切さを感じたり、やっておいた方がいいと感じて終活を始める方が多いように思います。
なので、そこには年齢や性別、地域などは関係ありません。

ただ、いつから終活を始めたらいいのか、これだけは絶対に譲れないタイミングがあります。それは、自分が元気なうちに!ということです。さらに付け加えると、自分の考えで行動ができるうちに、始めるべきです。

終活の目的は、自分らしく生きる活動です。残念ながら人は必ず死を迎えます。いつ、どこで、どんな死がおとずれるかは分かりません。ですが、必ずその日は来ます。その日まで、自分らしく生き、自分らしい最期を迎えるための準備や行動は、自分の考えで行動ができる、つまり、元気なうちでなければできないと思いませんか。

いつから始めるのがベストではなく、その人それぞれにきっかけが違いますが、終活が必要だと考えられたときに、始めるのがベストだと思います。

そして、最後に④何から始めたらいいのでしょうか。
結論から言うと、何から初めても良いと思います。思いついたことや、気になることからでいいと思います。

例えば、自分の葬儀はどんな葬儀にしたいか、埋葬はどこにどんなスタイルでしてほしいか、介護状態になったら、どんな介護を誰から受けたいか、もしも余命宣告されたら、どんな治療を受けたいかなど、気になることや知っておきたいことを調べることや伝えることも終活です。

でも、こればかりだと暗くなってしまいますね。

なので、さらに定年後のライフスタイルについて、何をしているのか、年金を含めて、どのくらいの収入があるのかなど、シミュレーションしてみてもいいかもしれません。

こんな車に乗ってみたいとか、旅行に行っている自分、趣味に没頭している自分、孫に何かを買ってあげたくて頑張っている自分なんかを想像するのも、終活なのです。

その想像の未来には、自分らしく生きているあなたが見えているのなら、すでに終活は始まっているのだと思います。
そんな未来の自分の生き方のために、具体的には何をしたらいいのでしょうか。
ということになりますよね。

何から始めるとか、この順序でやるべき、ということは特にありませんが、それを見つけたり、気付かせるための方法はあります。

それは、エンディングノートです。
現在は色々な出版社や企業でエンディングノートを出版、販売しています。
全てを網羅しているわけではありませんが、内容に大差はないように思います。

内容に大きな差はありませんが、どこが(誰が)監修しているかで、内容の詳細や、使用しているページ数の差はあるようです。

例えば、保険業の方やファイナンシャルプランナーが監修していると、保険の項目や、預貯金、財産、金融などのページにボリュームがあったり、また葬儀社などが監修していると、葬儀やお墓に関するページにボリュームがあったりします。

また、ページの構成にも若干の違いがあったりします。文字が大きく読みやすい、挿絵やマンガが多い、記入欄が大きいなど、様々な工夫が施されています。

なので、自分にあった、書きやすい、続けやすいと思うエンディングノートを選ぶことも終活を楽しく進める大切な要素だと思います。

また、今年エンディングノートを書いたとしても、何年後かには状況が変わっているはずです。年齢を重ねることによって考えに変化が出ることだけではなく、財産の増減や、当時なかった新しい制度ができた、孫が生まれたなど、自分を含めた環境が変化しますから、エンディングノートは、毎年とはいいませんが、2冊目、3冊目と書いていくこともお奨めします。何冊か書いていくと、過去の自分と向き合うこともできますし、その変化を感じ取ることもできるはずです。

このように、具体的に何から始めたらいいか迷ったときは、エンディングノートに頼ってみてはどうでしょうか。
書いているうちに、自分の知らないことに気づくこともあるでしょう。悩んでいることが何だったのかに気付くこともあるでしょう。さらに、こんな事をしたい、あの場所に行きたい、あの人に会いたいという考えが巡ってくることもあるでしょう。また、過去を振り返り、感謝する人たちのことも思い浮かべられることもあります。

そうして、感謝の想いを抱きながら、これから自分がどう自分らしく過ごしていくかを考え、行動することが終焉活動、『終活」なのです。

では、終活を始めた日、そのきっかけとなった日が終活をスタートした日だとすると、ゴール(終わり)はあるのでしょうか。
そりゃ、死んだ時がゴールでしょ!という声も聞こえてきそうですが、亡くなった後でも、故人の遺志を尊重した儀式や遺品整理なども行われますから、その方の終活の終わりっていつなのでしょう。

これは私個人の見解ですが、いつ(期日)終わるかではなく、どうなったら終わったと言えるか、ということのように思います。

自分が亡くなる時、人生を振り返って、いい人生だったと言えた時、終活が完結したように思います。いい人生だったと言えるには、うまくいったこと(成功)の数より、後悔していることの数の方が影響を及ぼすように思います。

死ぬ前に後悔すること、
 健康を大切にしなかったこと
 自分の葬儀を決めておかなかったこと
 先祖のお墓に行ってなかったこと
 行きたい場所に旅行に行かなかったこと
 会いたい人に会っておかなかったこと
 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと

これらはほんの一例ですが、してきたことより、してこなかったことを後悔するようです。

終活とは、自分らしく生きること、自分らしく生きることとは、いい人生だったと言えること、いい人生だったと言えるためには、後悔を残さないことです。

終活に興味があった、終活を始めてみたいと思っていたとお考えの皆様に、この内容が、どなたかの終活を始めるきっかけになれば幸いです。

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