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今だからこそ、「慧眼」を養う

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「慧眼」を養う


問題の本質を見抜く「慧眼」を養うことは
私たちの塾において最も大切にしていることです。

問題の本質は意外にも、問題視している当事者には
見えにくく、外部の人間の方が見えやすいことも
あります。

そのため、主観的な議論だけではなく、知識をしっかり
持った客観的視点からの議論も、問題の本質に迫るため
には不可欠です。

この話題について、「具体的な例」で雑談します。


【例】特色選抜は、変えたほうがいい?


「秋田県外への高校進学者が増えている」というニュースを
ここ数年、目にするようになりました。今年も、この時期に
なり、ネットニュースでも流れてきており、全国でも目にし
ている方は一定数いらっしゃるかと思います。

確かに、特色選抜(部活等の旧推薦入試)が、
一般選抜と同日実施となって、何年か経ちました。

合格が決まるのが「2月中旬」から「3月中旬」へと
約1か月後ろにずれ込むことで、
「その間に不安になるくらいなら県外に」
と思う生徒が、一定数いるとは思います。

しかし、私は入試制度と県外進学増加には
多少、時期の連動はありますが、
問題の本質は、そこにはないとみています。
なぜなら、実質的には
この1か月は「関係ない」範囲だと考えるからです。


1.部員と指導者がいるから、部活は成立する


運動部のとりわけ球技や吹奏楽などのチーム競技は、
ある程度の「部員数」を必要とします。
また、指導者も同様に必要です。
部員数も指導者も、いなければ部活は成立しません。


2.特色選抜でオファーを受ける生徒の多くは「県内進学」


各高校から特色選抜でオファーを受ける
生徒は、一定数います。おそらく彼らの多くは、一連の
県外進学には関係のない生徒たちだと思われます。
県外進学する生徒は、オファーを受けた段階で、他県か
らのオファーも来ているはずです。

3.県内外問わず、声掛けが活発化している


県内だろうが県外だろうが、
自分の尊敬する指導者がいる高校に入るため、
様々なアプローチを試みながら
中学校時代に自らの実力をつけてきた結果としての
オファーは、しかるべき努力の賜物です。
まだ合格が正式に決まっていないとはいえ、
声をかけてもらえた喜びはこの上ないでしょう。

県外への進学者が増えているのは、県外でも
優秀な選手を集める活動が活発化しているからです。
少子化で、なかなか生徒が集まらないなかで
特に、私立の強豪校は施設や入学制度も充実させてきており
公立の県内進学と天秤にかけると、どちらを選んでも
決して損はないわけで、生徒各々の判断次第です。

4.県外進学者の増加要因は、特色選抜だけではない


その高校(指導者)からのオファーがあれば
特色選抜での合格に向けた条件をクリアして
合格を勝ち取れる可能性が高まります。

学習塾を経営していますから、現場は知っています。

オファーを受けた者だけが合格の可能性が高まり、
オファーのかからない生徒には、仮に一般選抜で
入学したとしても、特色選抜合格者と同じ道が
必ずしも開かれるわけではないことを、生徒たちが
教えてくれました。

特色選抜で「声掛け」があれば、今までの前期選抜同様の
合格基準相当で合格を果たせる高校が多数あります。
勿論、最低限の学力を有することを条件とする進学校には
別途基準はあるのでしょうが、少なくとも大きな障壁に
なるような基準を聞いたことはありません。

したがって、2月から3月に選抜時期を動かしたとしても
本質的にはあまり変わっていないことから、
「合格」が形式的に決まらないという不安を除けば、
特色選抜が県外進学を増やす要因にはなりえないとみています。


5.ICTを甘く見ていませんか


保護者も指導者も、そして生徒たちも、いまは他県の高校に
関する情報を容易に入手できる時代になりました。これまで
になかったルートを使って情報を手に入れ、良き指導者と
出会い、良き仲間と切磋琢磨した結果、県内・県外問わず、
相手からのオファーを快く受けて進学していくようになった
と思うのです。

ICTこそが、生徒たちの県外進学が増えていく要因の一つに
なると思います。


6.「クラブチーム」が、高校・大学進学先を左右する


中学校の部活動は、高校よりも継続が難しいことは中総体を
みれば一目瞭然です。この状態下では、生徒たちは部活以外に
もクラブチームに所属します。

クラブチームのコーチや監督が、どの高校・大学の先生と繋
がりがあるのかによって、そして生徒の保護者がクラブチー
ムのコーチや監督とどの程度の信頼関係があるかによって、
生徒の進路はほぼ決まります。

したがって、中学校の進路指導以前に、高校への進学は
クラブチーム経由で決まっていることを現実として受け止めて
おく必要があると思います。


7.あまり知られていませんが・・・


秋田県内の高校でも、部活動のレギュラーメンバーを見てみると、
他県のクラブチームで活躍していた生徒が入試を受け、秋田へ引
っ越してきて所属しています。彼らはレギュラーメンバーになる
可能性をかけて、秋田へやってきています。

つまり、秋田を出る生徒も入れば、秋田へやって来る生徒もいる
のです。トータルで見れば、転出の方が多いと思いますが、現実
はこれが妥当なのではないかと思います。


8.「県外進学に歯止めをかけたい」と仮定すると


すべきことは一つです。

① 指導者を拠点校に的確な配置を行う
② 特色選抜で、必要な部員数を募集する
③ 生徒たちのために高校再編を急速に進め
  部活動や施設等への必要な予算をつける
④ 公立高校も私立高校も、各高校の「強み」
  として部活動を育む姿勢を徹底する
⑤ 地域をあげて、みんなで部活動を盛り上げる



「入試制度を変えなくてはいけない」
「県外進学者の増加は問題だ」

これらはある側面では、なるほどと思わせます。

しかし一方で、これは一面的な解釈にすぎません。
「ICT」「クラブチーム」の存在も
進路の多様化を実現している理由になりえます。



今日の括り


物事の本質を見抜くためには
「複眼的なアプローチ」
が必要になるときがあります。
また、あえて「逆手の発想」
をとることで、
複雑化した問題の本質が見えてくるときもあります。

情報化が進んでいるからこそ、
ものの見方や考え方の多様性を受容し、
恐れずひるまずに、
複眼的なアプローチを試みたら良いと思います。

何が正しいか、何が間違いかを論じることは
ときに、物事を停滞させるときがあります。

問題の本質を見抜き、どう現状を好転させていくかに 時間と労力を割いたほうが、はるかに建設的であり、 効率的なのではないかと思います。

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一関港
専門家

一関港(塾講師)

秋田受験ゼミナール

得意・不得意の把握は勿論、性格や思考傾向を理解した上で生徒一人ひとりと本気で向き合っています。指導方法や指導形態の「最適解」を探り、少人数授業と1:1指導を組み合わせて指導しています。

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