危険な3つの「低下」が学習塾に押し寄せている
前回に引き続き、
「公立高校入試マニアック分析」
マニアックな分析を「各教科3点」にしぼってお話しします。
第5回は、社会です。
1 難易度調整がしっかり効いている
難易度調整がされていると感じている部分を羅列してみます。
・世界地理は、知識量の多い地域をあえて避けた出題
になっており、最低限の知識量で問題は解けます。
・歴史前半は時代横断的なものを問わず、時代ごとに
完結するような問題設定となっています。
・歴史後半は、とにかく「ベタ」な出題にすることで、
相応に学習した生徒が報われるつくりになっています。
・公民は、知識を多数問うこともあり、記号選択問題を
多くすることで過度な正答率低下を防ぐねらいがあっ
たとみています。
ただ、国語のような露骨な調整は感じられず、適切な問題構成であったとみています。
2 歴史の問題レイアウトは、これが無難!
今年の歴史(3・4ページ)は、各問いについてどの資料をみながら解くべきかがつかみやすいレイアウトになっています。問いと資料・説明空欄との距離が近いこともあり、無駄な目線移動が少なくなっていることが高く評価されてしかるべきだと思います。これにより、解答時間・思考時間の短縮になり、時間切れを防ぐことができます。また「探す」という動きが減り、その問いに集中することができる点も、生徒たちにプラスに働いたと推察されます。
3 明らかに、問題は平易になっていますが
出題内容と正答率との照合をしてみると、「Xには、AとBとCの三つがあります」という知識の習得は相応に習得されているように感じますが、「Aとは何か」「BとCはXにどのような効果を与えるか」といった深みのある学習は十分にできていないことを解答状況から容易に推察されます。
また、資料を読み取る問題でも、数値の大小に関する特徴をつかむこと、その大小かた特定できるもの、推察されることを説明できるほど、普段の授業が深まっていないということが、近年の社会科が伸び悩んでいる原因だと思われます。オリジナルプリントを使ったり、タブレットを使ったりしながら工夫して授業を行うことも大切ですが、その前にもっと大切なことが欠けている授業が、多く展開されているのではないかと思われます。
総括
問題自体は良問だと思いますが、この良問を確実に得点できていない現実に、現場はちゃんと目を向けなければいけません。



