危険な3つの「低下」が学習塾に押し寄せている
前回に引き続き、
「公立高校入試マニアック分析」
マニアックな分析を「各教科3点」にしぼってお話しします。
第4回は、理科です。
1 設問を正しく把握しない生徒の傾向が、読まれている!
大問1(1)ルーペの正しい使い方を問う問題。イラストは「花」であり、これはそこに生えている花なのだと推察されます。すると、このイラストだけをみた生徒は、この花は摘んだ花だと早合点します。すると、花を手に持って観察していると誤解してそのまま問いに答えますね。設問を読まずに、早合点する最近の生徒の傾向を見抜いた「良問」です。正答率が50%未満であっても不思議ではありません。この問題を作問された方は、意図があったかどうかは別として、いまの生徒たちの弱点をちゃんと把握して出題しつつ、そのあとの小問に影響が出ないような問題構成になっている点で、現場を知っている(しっかり想像できている)方なのだと思います。
2 これは国語の問題? 文字数が多い!ほぼ明朝体!
大問6以外は、非常に文字数が多い印象を受けました。文字数の多い問題を出題する意図としては
・主語・述語、係り受けを明確にすることで設問や問題設定の誤読を防ぐ
・問題を解く際のヒントを忍ばせたりほのめかしたりする
・実験手順などを、授業中に行った実験さながらに書くことで、より身近に思わせる
などの効果があるとされるが、私個人としては、出題者側の思いとは裏腹に、「出題者側の勝手な配慮」になってしまい、隅々までは読まれていない気がします。出題者側には、問題を解く側の視座により立った配慮の方法を研究すべきだという点を指摘したいと思います。特に、書体が明朝体だらけで、ゴシック部分がほぼないため、ページの印象が単調で、深く読み込む姿勢に欠けていれば、情報が入りにくい印象があります。また、問題を解く受験生側には、出題者の意図を汲み取ることが得点するための糸口、近道であることを助言しておきます。
3 徹底的に計算問題が出題された
例年に比べ、計算問題の多さに着目した。今回の計算問題は以下のようなものが出題されています。
・反応した銅の質量を求める
・移動の平均の速さを求める
・移動にかかる時間を求める
・1回の振動にかかる時間を求める
・水蒸気の質量を求める
計算問題は、正答率(得点率)が低下することは容易に想像できるわけですが、問題はこれらを出題するとして、ほかのどこで点数をとれるようにするかを考える必要があります。各大問1~2問、正答率(得点率)の高い問題が用意されています(大問1はさらに多い)。しかし、これ以外は記述問題や記号選択問題となっており、点数が上がりにくいものが配置されており、あまり平均点が上がらないどころか昨年よりも下がってしまったのだと推察されます。
総括
理科は、「当該学年の生徒たちに配慮した問題」というイメージは全くなく、どちらかというと「こういった問題でどれぐらいとれるのか」を試すタイプの問題だったように思います。チャレンジングな問題だったという側面を強く感じますが、一方でこの学年には明らかにタフな問題だったといえます。



