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松尾益秀

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松尾益秀(まつおみつひで)

T.M.P.

コラム

社員7人のリフォーム会社がたった1枚のチラシで売り上げ2倍!さらに3ヶ月先まで・・・

2018年12月24日 公開 / 2019年3月10日更新

テーマ:チラシデザイン

インターネットが普及したとはいえ、リフォーム業界では今もチラシが主要な集客手段の1つです。しかし、どれだけチラシを配布しても「まったく反応がない」「問い合わせが少ない」と、嘆いている経営者は少なくありません。
明確な戦略や仕掛けがなければ、どれだけ多くのチラシを配ったころで、反応が得られないのは当然の結果。しっかりと考え、行動しているライバル企業との差はいつまでも縮まりません。チラシに限らず販促活動は戦略が重要で、プラスアルファの“圧倒的なアイデア”が不可欠です。

その根拠として、あるリフォーム会社の事例を紹介します。私のクライアントでもあるこの会社は、“戦略的なチラシ”を制作したことで売り上げが2倍になり、さらに3ヶ月先まで工事の予約が埋まり、今では施工先の近隣住民から「あのチラシのリフォーム会社の人ですよね」と声をかけられるまでになっています。


チラシ制作の依頼

愛知県にある従業員7人のリフォーム会社から「チラシの集客効果を上げたい」という依頼が届きました。ヒアリングで現状の集客手段を尋ねると、ポリカーボネイトの屋根の張替えキャンペーンチラシと、インターネットの見積もりサイトからの下請け受注が多いとのこと。特に屋根の張替えチラシは、29,800円という手頃な価格だったことから、それなりの反応があり受注にもつながっていました。
ただ、それをきっかけに別のより大きな工事の受注につなげる、という思惑は実現できていませんでした。理由は明快で、屋根の張替え以外のサービスを紹介する販促ツールを持っておらず、口頭ではうまく案内(営業)ができなかったからです。

フロントエンド・バックエンド

屋根の張替えを足がかりに、より収益率の高い工事につなげるという販促手法は、「フロントエンド・バックエンド」の考え方としては間違っていません。ところが、このリフォーム会社には「入り口」しかなく、その先へと導くアプローチが欠けていたのです。
私はその問題点を指摘し、改善策として、屋根の張替え工事以外のサービスを紹介するパンフレットの制作を提案しました。また、やりとりを重ねるなかで浮かび上がった「できるだけ短期間に、効率的よく高額工事に誘導したい」という経営者の要望を実現させるため、集客戦略そのものを再構築することにしました。

戦略の再構築

戦略と言っても難しいものではなく、基本的には以下の3点です。

◎商品を絞る
◎地域を絞る
◎客層を絞る

これは、いわゆる「ランチェスター戦略」のなかでも、一点集中主義によって競争を勝ち抜く“弱者の基本戦略”を構成する3大項目です(本来は既存客へのアプローチも必要なのですが、既に行っているようでしたので今回は省略しました)。多種多様な商品・サービスを消費者にPRする際、一度にすべてを紹介すると訴求力が分散し、いったい何を販売している会社なのかが伝わりにくくなりますが、商品を一つに絞ることで受け手の印象はガラリと変わります。とりわけリフォーム会社の場合は、たくさん商品(対応可能な工事)があり、あれもこれもとチラシに載せたいと考えがちですが、情報量が増えるほどに見る側は理解が難しくなってしまうのです。
また、掲載情報を絞り込むことは、(一時的にではあれ)他のサービス内容を“切り捨てる”ことでもあり、経営者の決断力が試されます。幸い、今回のリフォーム会社の事例では、社長自身が「ランチェスター戦略」について学んでいたこともあり、戦略の再構築を決断していただくことができました。

戦略決定

具体的な戦略は以下の通りです。

◎商品・・・外壁塗装
◎地域・・・会社所在地の半径3km圏内
◎客層・・・50~70代の夫婦

非常に明確な戦略になりました。ここでひとつ重要なことは、戦略は「仕組み」を作ることが目的だという点です。チラシに掲載しなかった、外壁塗装以外のリフォーム工事も柔軟に取り扱えば良いのです。構築した「仕組み」がうまく回り始めれば、自ずと支流にも水は流れていくものです。

戦術提案

戦略が決まれば次は戦術。どのように戦略を具現化していくか、チラシを含めた具体的な販促方法を固めていきます。 私からの提案は以下の内容でした。

■■■■■

S様

外壁塗装についてリサーチをしました。
少し長くなりますが、お付き合いください。

「外壁塗装チラシ」でグーグル画像検索をしたところ、たくさんのチラシ画像が出てきます。どれも似たり寄ったりで、「安価な施工費用」を謳ったり、「選ばれる理由」が羅列されていたり、パッとしないものばかりでした。値段の記載は必須だと思いますが、業界の常識や通例とは異なる表現方法で訴求することが、外壁塗装チラシを“見飽きている”潜在顧客の掘り起こしにつながるのではないでしょうか。

そこで究極の集客方法のご提案です。
大前提として、チラシの目的を受注ではなく、見積りをとりたいと思わせることとします。顧客が最も知りたい情報は金額だと思いますので、おおよその工事費については内訳も明らかにして分かりやすく記載します。
キャッチコピー(案)は、
◆見積りに絶対的自信あり!
◆外壁塗装にかかる料金の内訳すべて見せます!
◆一度見積りをとってみてください!
など。

実際の見積書にも、内訳や詳細を細かく記載します。他社の見積書は専門用語も多いと思いますが、工事の内容を素人にも理解しやすくして、原価と経費と利益を正直に明記します。職人の給料(利益)まで隠さず見せることが必須です(正直だと思ってもらうことが重要で、多少の粉飾は問題ありません)。細かな内訳が書かれていれば、お客様も予算に応じて、必要なものと必要でないものを伝えやすくなります。

とにかく、すべてを正直にさらけ出すことで、「ここまで見せてくれるんだ」と思ってもらいます。ポイントは感情に訴えること。感情を動かすことができれば親しみが湧き、金額が多少高くても成約しやすくなると思います。また、見積書はできるだけ手渡しで届けます。「絶対に他社には見せないでくださいね。給料まで載せていますから」という言葉を添えると、 秘密が共有されることでさらに感情が動くかもしれません。
つまり「営業されている」と感じさせないように営業することが重要で、 人の懐に入るためには、自分をさらけ出すことが一番の近道です。 こちらがさらけ出せば相手も心を開いてくれます。そうなればもう立派な“知り合い”ですから、多少金額が高くても受注につながるかもしれません。

受注後は作業の合間を見て、手書きのメッセージをご近所に配ります。 印刷物でも構いませんが、手書きの方がより目を引くことができます。内容は「◯◯さん宅の外壁塗装をしている株式会社□□□□です。 施工は△月△日までですが、ご迷惑をおかけしたら申し訳ございません」とシンプルなものにして、いかに塗装職人として頑張っているか、塗装現場での苦労話などを書き添えます。ひな形を作っておけば、毎回、内容を考える必要もありません。
また、施主さんの了解は必要ですが、施工写真を添えられれば“ご近所感”も生まれます。「◯◯さんが塗装工事をしている」「こんな職人さんが作業しているんだ」と興味を引くことができますし、外壁塗装に必要性を感じている方ならきっと「見積りだけでも」と考えるはずです。これも感情を動かす作戦のひとつです。ここでも重要なことは、決して売り込みをしないこと。売り込みは逆効果として作用することもあるので、セールストークは一切せず、メッセージ用紙を名刺と一緒にポスティングするだけにします。

以上です。
単純にチラシを配布するだけでは思うような効果は得られず、ライバルと違うアプローチが重要です。実施にはアレンジが必要な部分もありますが、ぜひ一度ご検討ください。

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いかがでしょうか。
実際にリフォーム会社の経営者は、提案を好意的に受け入れてくれました。もちろん、すべての提案を実行したわけではありません。見積書に関しては、既に細部まで記載されていたため、要素を少しだけ加えてブラッシュアップし、試行錯誤を重ねながらチラシの記載内容を精査。ご近所に手渡すメッセージも制作し、ご近所へのアプローチも提案から少し形を変え、経営者独自の方法で実行しました。ここで詳細を紹介することはできませんが、とにかく圧倒的な差別化を図ることが、顧客に選ばれる販促活動のキーワードとなります。
ポイントは価格勝負をしないことです。安値を“売り”にすると顧客の目もその一点にしか向かなくなり、ライバルとの値下げ競争の繰り返し。という負のスパイラルに陥ってしまいます。適正な価格を提示し、それ以外の部分に付加価値を感じてもらうような「仕組み」を構築し、それを実行することが重要です。仮にうまくいかなかったとしても、PDCAサイクルを繰り返して、少しずつ調整していけば良いのです。

チラシの集客効果

次に最も重要なチラシについて説明します。
インターネット全盛の時代とはいえ、地域密着型ビジネスであるリフォーム会社の集客手段として、チラシには絶大な効果があります。しかし、商品やサービスの内容と価格を細かく紹介するものであったり、展示会の告知がされていたり、どの会社のチラシも代わり映えしないのが現実です。受け手にとっては「また同じようなものが入っているなぁ」という程度の印象しかなく、たいていの場合はゴミ箱行きになるでしょう。
一般的に、チラシの反応率は1,000部あたり1~2件と言われています。商品価格が高額となるリフォーム工事の場合はさらに確率が下がり、新聞折込であれば10,000部あたり1~2件の反応があれば良いとされます。この反応率はあくまで問合せの確率であり、実際に受注まで至る「成約率」はさらに低くなります。この成約率を高めることが私の役目であり、長年による試行錯誤の結果、かなりの高確率で受注を実現するチラシ制作のノウハウを培ってきました。今回例に挙げたリフォーム会社では、10,000部の新聞折込チラシで3件の工事を受注。訴求効果は現在も継続しており、3ヶ月先まで工事予約が埋まっています。客層を50~70代の夫婦としたため新聞折込を選択しましたが、ターゲットによってはポスティングの方が、より少ない部数で高い効果が得られることもあります。もちろん、反応(問合せ)から受注(成約)へとスムーズに導くためには、チラシの記載内容やデザインだけではなく、事実の裏付けなどさまざまな“仕掛け”も必要となります。

儲かるチラシとは

クライアントへの提案内容の部分でも説明しましたが、今回のチラシ制作では「見積りをとりたいと思わせること」を目的とし、それに準じて必要なものを集約する形で全体内容を構成しました。許可を得ていないため、すべてをお伝えすることはできませんが、重要な要素をかいつまんで紹介したいと思います。
まず初めに、チラシに目を通してもらうことに重点を置き、最も大事なキャッチコピーを大きく配置します。私はセールスコピーライターでもあるので、キャッチコピー作りには最大限の時間をかけ、何度も推敲を重ねます。チラシを手にした人に興味を持ってもらえるか、それともゴミ箱に捨てられてしまうか、この時点で大勢が決まるといっても過言ではありません。今回は吟味の結果、「手塗り」というキーワードを使用しました。リフォーム業界ではごく普通の言葉かもしれませんが、一般の方は「手で塗る=丁寧な作業」と解釈するのでは、という仮説に基づいた判断です。手に取った瞬間に目が向かうよう、かなり大きな文字で配置したのですが、成約後に確認したところ、やはり「手塗り」という言葉に興味を持ったというお客様がいたそうです。キャッチコピー作りのポイントは、メリットを強い言葉で簡潔に伝えること。キーワードをさらに強調する言葉と組み合わせることがで、効果はより高まります。
次に、企業理念や経営者・職人の「仕事にかける想い」を、写真付きプロフィールにして伝えます。これは相手の感情へ訴えかける手法です。人間の行動は感情に左右されることが多いので、「施工をお願いしてもいいかな」と親近感を与えられるように、できるだけ人柄がにじみ出るような内容にします。問合せ電話番号と一緒に、電話対応する人の写真を添えておくことも効果的です。
工事内容については、「他社とは何が違うのか」「どの部分にこだわっているのか」を分かりやすく記載します。工事費用は最小限のスペースに、適正価格を載せるだけでOK。保証サービス(補償も含む)があれば、その内容説明についても忘れず明記しておきましょう。今回は「全額返金保証」「15年保証」「定期巡回サービス」の3点を謳いました。また、「お客様の声」など施工事例の紹介も、安心感を与え、信頼を得るための必須要素。無料で提供できる資料やツールを用意しておけば、見込み顧客のリスト作成も可能です。

これが“儲かるチラシ”の大まかな構成要素です。クライアントの強みや、商品・サービスの特徴をじっくりと見定め、ひとつひとつの要素にアレンジを加えながら、より高い訴求効果が得られるものに仕上げていきます。

ホームページの活用

チラシと連動したホームページがあれば、訴求効果はさらに高まります。今回のリフォーム会社は既にホームページを持っていました。ただ、すべての商品・サービスを同列で紹介する、ごくありふれた内容になっていて、ライバルとの違いをうまく表現できていませんでした。そこで新たに、チラシの構成内容をもとに新たな要素を加えて、外壁塗装にフォーカスしたホームページを作成。商品情報(潜在顧客が検索に使うキーワード)が「リフォーム」から「外壁塗装」に絞り込まれることで、より効果的なSEO対策(=集客)が可能になりました。実際に立ち上げから3ヶ月後には、エリア内での検索件数がNo.1となり、ホームページ経由の問合せも少しずつ増えています。
とはいえ、SEO対策は効果が現れるまでに一定の時間がかかるものです。単にホームページへ誘導するのではなく、資料請求や小冊子のプレゼントなど、消費者がアクションを起こしやすい仕掛けを考案して、インターネット広告として掲出することも効果的な集客につながります。

集客アップのカギは差別化

この仕組みを用いれば、商品を変えても同様の効果が期待できます。例えば、水まわりのリフォームなら、「トイレ」や「浴室」など個別に特化したチラシで訴求することで、反応率を高めることができます。その理由は、トイレのリフォームを検討している人が求める情報は、リフォーム全般にわたる“広く浅い”情報ではなく、トイレに関する専門知識や施工実績だからです。そうした潜在顧客に向けて、いかに自社の商品・サービスの特徴やメリットを親切に、わかりやすく伝えられるか。それが販促戦略の核心であり、その仕組み作りをサポートすることが私の役目でもあります。
ライバルが多いリフォーム業界で、業績を伸ばすためには相当な努力が必要です。ただ、うまく競争相手との“違い”を作り出すことができれば、たくさんの人の目を自社に向けることができます。ビジネスにおいては「目立つこと=良いこと」。さまざまな販促ツールを組み合わせ、創意工夫を凝らして差別化を図ることが、集客力アップにつながります。

販促活動にゴールはない

今回紹介したリフォーム会社では、3ヶ月先まで工事が埋まるなど一定の“成果”を得ることができました。ただ、いつまでも現状が続く保証はなく、販促活動に終わりはありません。既存客のフォローによるリピーター獲得や見込み客リストの作成のなど、常に“次の一手”を打つことが重要。エリア内で高まりつつある認知度を巧みに活用して、販促活動を一段階上のステージへ引き上げていくことが今後の課題だと考えています。

コンサルティングから販促ツール制作まで、集客改善に関するひと通りの流れを紹介しましたが、今回の事例をそのまま当てはめれば、必ず効果が得られるわけではありません。ここでは意図的に伝えなかった、ノウハウの核心部分もあります。それでも、この「外壁塗装」の事例をベースに、自社独自の情報を付け加えることで、集客率は確実に変化するはずです。ビジネスにおいて最も難しいことは、新規顧客を獲得すること。回り道をしないためにも。ぜひ専門家へご相談ください。

小さな会社のための
まちのデザインやさん
T.M.P. ティーエムピー
◎ホームページ https://www.designyasan.com

ご質問・ご意見・ご相談などはメールでいつでもOKです。
Email : matsuo@designyasan.com

この記事を書いたプロ

松尾益秀

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松尾益秀(T.M.P.)

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