名古屋市教育センター10年目教員研修
コーチングとは!
Ⅰ コーチングの歴史
コーチの語源は馬車。大切な人をその人が望むところ(目的・目標)にお届けするという意味で使われ始めました。そこから、人の目標達成を支援(サポート)するという意味になりました。
コーチングでは、「傾聴、質問、承認」のスキルを駆使して、クライアントとコミュニケーションを交わします。まずは、クライアントの問題点を理解します。クライアントの問題点が分かるまで、丁寧に傾聴を続けます。しかし、ここから「カウンセリング」との違いが現れます、。コーチは、問題点が分かれば、クライアントの視野を広げたり、人間的な成長を促したりするような質問をして、新しい視点を提供します。そして、クライアントの新しい考えをすべてを承認して、未来に向けて「ブレイクスル(現状打破)」できるようにサポートします。
Ⅱ コーチングの基になっている3つの概念
① 人は無限の可能性を持っている
自分が無限の可能性を持っていることを信じている人はほとんどいません。し かし、歴史や世界を見回してみると、とてつもない業績を上げた人は数多くいま す。そのような人は、特別な人ではありません。同じ人間です。唯一の違いは、 自分はできる。自分には才能・可能性が無限にあると信じたことです。
自分を信じるか、信じられないか(自信)の違いです。
② 人は、人生の答えを自分の内側に持っている。
自分の大切にしたいことは何か。自分の人生の目的は何か。これらはすべて人 によって違います。しかし、自分の人生の免許皆伝書は、潜在意識の奥深くに隠 されていて、自分ではなかなか気づくことができません。人生の目的が明確にな った時、無限の可能性を引き出す「潜在意識の力」を覚醒させることができます。 ③ 人は、パートナー(信頼できる仲間)がいる方が自分と向き合いやすい。
自分の心の声(本心)に耳を傾けることが、人生の目的を見つけるには何よりも必要なことです。しかし、往々にして、それまでの生活の癖で、家族は、他人は、お金は、仕事はなどできない理由をつくりがちです。そのためには、新しい世界に意識を向けることができる味方(コーチ)の存在が必要です。
Ⅲ コーチングを受けると
コーチによるコーチングスキル、コーチングアプローチ、コーチング知識を得る ことで、クライアントは、自分の責任において、目的の明確化、実行方法の選択の 意志決定をし、行動することで成果を得ることができます。プロコーチは、クライ アントが最大の成果を得ることができるよう一緒に寄り添って関わっていきます。 さらに、クライアントは、コーチとの関係を持つことで、コミュニケーション能 力を向上させ、すべての人間関係を良好にさせることができるようになります。
また、新しい視点を持つことができたり、自分に関わる事象について、これまで と違った受け止め方や考え方をしたりすることができるようになります。
その結果、目標達成にコミットメントすることによって、ビジネスやプライベー トにおいて大きな成果を得ることができるようになります。
Ⅳ 今なぜコーチングなのか
コーチングはこの15年間で急速に注目されるようになりました。その理由は、 世界がグローバル化して、様々な価値観や考え方を持った人々との協働が必要にな り、これまでの単独の知識や考え方では通用しなくなったからです。そのために、 自分の経験による思考方法から、より多くの人のアイデアややり方を学び、それら を活用して、より現実にあった方法を選択することが必要になりました。また、ビ ジネスはもちろん、プライベートにおいても価値観が多様化したため、良好な人間 関係を創ることが難しくなり、人間関係の問題で、心身の健康を崩す人が非常に多 くなってきています。
こうした理由で、コーチングは、人間関係を改善したり、仕事上での個人のパフ ォーマンスを向上させるスキル・考え方として注目されるようになりました。
Ⅴ コーチングを身につける効果
1 プライベートでの効果
○ 家族の人間関係(子と親、夫婦、嫁と舅・姑など)を良好にできる。
○ 人生の目的・目標が明確になる。
○ やる気を向上させ、行動のパフォーマンスがあがる。
○ すべての経験(後悔や失敗も含め)を未来の成功の資源にすることができる。
2 ビジネスでの効果
○ 社員のベクトルをそろえ、ワン・チームを創り上げることができる。
○ 人材育成スキルとして活用することで、部下のパフォーマンスをあげること ができる。
○ 社会状況の大きな変化にも、冷静に対応することができる。
○ 自己を成長させ、より大きな職責に対応できるようになる。