孤独死・・・統計からの抑止策、退去費用などについて
今回は、2回に分けて「孤独死」について少し深く書いていきます。
なお、「孤独死」という言葉に法律上の定義はありません。
よって規模の大きい総合的なデータは無く、母数の少ないデータが多いのですが、これらを参考にして述べてゆきます。
まずは、孤独死にも傾向があり最近データで変化が出た内容です。
①「孤独死の若年化」
孤独死の問題は高齢者のみの問題ではありません。
孤独死は若い世代にも見られる問題です。
全体でみると、50代未満の現役世代で孤独死する人は40% ほどをも占めています。
特に、40~50代の孤独死の原因としては、雇用の不安定さ、未婚率の上昇により独身でいることの2点が考えられていますコロナ禍で外出の難しい期間には、20〜30代でも連絡の取れる友人や家族がいない若者が、貧困による飢餓や精神疾患で孤独死してしまうというケースも多発しました。
若いから大丈夫と思い込むのではなく、互いに連絡を取り合える環境を作っておくことが対策として必要と言えるでしょう。
続いては、孤独死の際の死因と、その内容です。
②「孤独死の死因と、死因別人数」参照:一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第5回孤独死現状レポート」
死因 病死 / 自殺 / 事故死 / 不明 / 合計
人数(人) 2,857 / 478 / 70 / 1,012 / 4,417
割合(%) 64.7% / 10.8% / 1.6% / 22.9% / 100%
孤独死の中での死因では、病死の割合が男女とも60%ほどを占めています。
この中で注目すべきは自殺者の割合で、10%を超え高い割合であることです。
厚生労働省の令和元年の統計によると、死因に占める自殺の割合は約1.4% です。
それに比べると、孤独死での自殺は通常の死に占める自殺の割合よりも、7倍以上高いことが特徴的です。
病死が一番の割合を占めていますので、「元気だから大丈夫」と楽観するより、少しでも心配があれば早めにお医者様にかかるなりして、大切なご家族を守りましょう。
その1は、以上です。
次回は、寿命であり、孤独死の寿命と、普通に亡くなられる方の寿命と比較致します。