遺品整理時に、お客様からご要望の多い内容 その1
最近増えているのが、「デジタル終活」です。
と言う事で、今回はデジタル終活について少し記述を致します。
インターネットを活用する高齢者が増加傾向にあります。
スマホやパソコンには個人情報がたくさん詰まっていて、家族にも見せていなかったり取り扱いに困ったりするものがあります。
次のものは万が一持ち主が亡くなったときに、「デジタル遺品」になり得るのです。
代表的なデジタル遺産は、以下の通りです。
・写真
・メールのやり取り(LINE含む)
・スケジュール
・ネットバンキング
・ネットでの証券取引
・SNS
・サブスクリプションサービス
デジタル絡みのトラブルで特に多いのが、「故人所有のインターネット銀行・証券の口座がわからない」というもの。IDやパスワードがわからず資産の確認ができないという状況だけでなく、そもそもどこの銀行を利用していたのかを家族又は親族が知らないこともあります。
先日もお一人暮らしのお兄様を亡くされた方の遺品整理を行いましたが、故人はパソコンに精通された方だったようで、ご自宅には合計6台のパソコンがあり、それぞれロックが掛かっており、どのパソコンがメインで使用されいたのかという問題はもちろん、証券口座やネットバンキングのIDとパスワードが全く分からず、遺品整理の際に、証券会社や銀行などのありとあらゆる書類を分けて見つけ出しお客様にお渡しいたしました。
結果としては、解明に約4カ月もかかったそうですが、何とか遺産相続が出来たのですが、お客様かなりお疲れのご様子でした。
銀行・証券に関してですが、亡くなった時点から預貯金は「相続財産(遺産)」となり凍結されます。
凍結は死亡届が提出されると開始されますが、行政機関から銀行に連絡が入ることはなく、家族から銀行や郵便局に連絡して初めて凍結されるのです。
要は、家族が連絡をしなければ口座は凍結されないのです。
しかし、インターネットバンキングなどを利用していた場合、IDやパスワードがわからなければ銀行への問い合わせしか手段がないため、結果的には死亡したことを伝えなくてはなりません。
相続が決着すれば凍結は解除されますが、葬儀などですぐにお金が必要なときに故人の資産を使えなくなるのは困るポイントでしょう。(金額上限はありますが、最近になって遺品整理や火葬代などの費用は、引き出せます。)
また、分配が終わった後にインターネットバンクが見つかった場合、争い事の原因にもなり得ます。
特に先に記述をしたような例で、お一人暮らしの高齢者の方の場合、親族が遺品整理をしようと思っても、何が何だか分からないと言う事になる確率が高いので、
これを読まれた方は、もしもの時に親族が判るようにしておくことが大切だと思います。
デジタル終活はじっくりと時間をかけて計画的に行うことをおすすめします。