(学校が)やめることリストが公開されました
先生は多忙です。ではどうして多忙なのか。皆さんはどう思われているでしょうか。
皆さんが知っている小学校、中学校の先生の様子はいかがでしょうか。
40年前、20年前と今の学校現場は違う
私は小学校3年生の時の担任の先生が大好きで、宿題の「自主ノート(自分で好きな勉強をページ数分する、算数ドリルでも漢字ドリルでも可)」に拙い童話もどきを書いては提出して感想をもらうのがとても楽しみでした。
今から思えば、朝提出した45人分の自主ノートを確認し、1時間目から6時間目まで授業をし、帰りの会で自主ノートを返してくれた上に私や他の子が書いた童話もどきに感想を書いてくれていたその先生は、とんでもないことをしてくれていたんだなあと思います。
もちろん、当時はそんなこともわからず、初任者研修帰りの先生に「なんで今日は読んでくれなかったの」等難癖をつけていましたけれど。40年前の話です。
さて、それから学校で学ぶ内容は多様化しました。世界が多様化しているので、学校でも様々なことを教えます。小学校では一人の担任の先生が以下のようなことを教えています。
外国語活動、プログラミング的思考、環境、SDGs、防災、情報モラル、食育、人権、国際理解、学校の安全、図書館活用 等々……
全て重要な内容ですし、更に学校であれもこれも教えてほしい、と思ってしまいます。
それでは、これらのことを先生方は教職課程で学んできたでしょうか? ご自分で研修を探し、受講し、学ばれている先生方はたくさんいらっしゃいますが、おひとりでこれらを教えるための知識を身につけるということはとてもとてもとてもとても大変なことではないでしょうか。
先生は「他人の都合」で動く
以下は大阪市が、ある教頭先生の半日の仕事を図式化したものです。
出典:文科省 2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会(第2回)資料3 大阪市教育委員会発表資料 (PDF:1916KB) 2P(2025年1月16日閲覧)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1369517.htm
これをご覧になるとお分かりいただけると思いますが、2/3以上の時間を「他人に呼ばれて」費やしています。
教頭先生が教頭先生のペースでお仕事できる時間はほぼないに等しいのです。担任を持たない管理職の先生でこういう状況だということをご確認ください。
担任を持つ先生なら、朝8時半から15時まではまず間違いなくすべてが子供たちのための時間に入れ替わります。
それを会社員で例えると、朝は打合せの会議があり、そのあとすぐ自分主催の会議が6回分入り、昼食の時間は部下や部員の安全のために目を光らせ、会議が終了次第その会議の報告書を書き、明日の会議のアジェンダを作り、準備する、というような具合になるかと思います。
その合間に保護者向けのお便りを作成したり、テストの採点をしたり成績処理をしたり、テストを作成したり、自治体や文科省からの調査に回答したり、日記に返事を書いたり教材を作成したり、上記にあるような新しい内容の自己研鑽をされたり、本当に大変な時間のやりくりが必要になっている状態です。
私の家の近くの小学校の職員室の明かりはいつも遅くまで煌々とついています。私としては先生に早く帰って休んでいただき、元気いっぱいで子供たちに対応してもらいたいのですが、なかなかそううまくはいかないのが現状です。
その現状について、OECD国際教員指導環境調査(TALIS)と教育基本法を元にして次回もう少し詳しく説明させていただければと思います。



