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加藤武範プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

母親が認知症か?と感じた時(2)

加藤武範

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テーマ:認知症

私の母親が認知症に違いないと感じながらも病院受診するまで約半年、介護保険サービスを利用するまで約1年も時間がかかりました。

認知症だと感じつつも、近所の人ともコミュニケーションもとれるし、なんとなく一人で留守番もできれば、日々の生活はさして問題も無く流れていきます。
「お金が無い」「嫁さんがお金を持っていった」「年金を下ろして欲しい」などお金に対する固執が強くなってきて、やっと精神科を受診し、アルツハイマー型認知症と診断されました。そして、レミニールを処方され内服することになったのですが、介護保険の利用について、主治医に相談するも、「まだ介護保険サービスの利用までは必要ないのでは?」という返事でした。今、思えば、あの時からデイサービスなど介護保険を利用しておけば、自分も家族も、たぶん本人ももう少し楽に生活できたのではないか?と感じています。

結局、親戚の不幸や法事などがあり、親戚宅を行き来した頃に、自宅と自分の生家、親戚宅が混乱して、場所がよく分からない見当識障害が出てきた段階で、介護保険の申請をする事になりました。介護の最前線の仕事をしていても、こんな状況です。一緒に生活をして変化がわかりにくい家族は決断力に欠けることが明白であることが分かります。そうした意味でも、認知症では?と感じた場合、なるべく早めに地域包括支援センターなどに相談にいき、専門職のアドバイスや意見を参考にして欲しいと思います。

認知症が軽度の状態で、病院にかかっても、認知症と診断されない事もあります。そうならないために、一緒に受診する家族の方は、「こういうエピソード(困った事、変な事)がありました」と、医師にしっかり伝えることができる様に準備する必要があります。また、介護保険申請時も同様です。介護保険は、家族にどれだけの手間がかかっているか?を判断して要介護度を決めています。「トイレは自分で行っているが、毎回流し忘れがある」「お金がないと何度も訴えて来るので、その都度、話を聞いている事が週に3回ある」「鍋を焦がした。お風呂を空焚きした」「お風呂に入らなくなり、入浴する為に声かけや着替えの準備をしている」など家族が本人の為に時間を費やしているエピソードを書き溜める事をお勧めします。

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

加藤武範プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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