胎内文書にまつわるお話
こんにちは、旭物産の成田です。
今回は「お仏像を修復するタイミング」の「続き」についてお話しします。
前回の「お仏像を修復するタイミング(1)」は
こちらからお読みいただけます。
さて、今回ご紹介する「お仏像を修復するタイミング」は、「住まいを変えるのに合わせてお仏壇を買い替えるとき」です。
これも、受け継いできたご本尊様を修復するということです。
では、今日お話しする内容はこちらです。
住まいの新築
たとえば、こんなときです。
あるお客様が、住まいを新築されることになりました。
このとき、家の内装に合わせてお仏壇を新しく購入することにしたのです。
そのいきさつはこうです。
住まいの新築を決めたのとときを同じくして、奥様の実家の片付けをされたそうです。
すると、そこに古いお仏壇があり、中にお仏像がご本尊様として安置されていました。
奥様の実家は跡継ぎがいらっしゃらなかったため、その古いお仏壇は処分されたそうですが、
ご本尊様を処分するわけにはいかないのでどうしたらいいか、と考えられました。
それで、新しくお仏壇を購入しようと思い、お仏壇の店に相談に行きました。
わたしたちはその店の方に呼ばれ、ご夫妻にお会いしたのです。
ひと目で確信
実際にこの目で見て、わたしたちはひと目で、素晴らしいお仏像だと確信しました。
一般的に、お仏壇に安置されているお仏像のだいたいのフォルムはどれもよく似ています。
しかし、そのお仏像は今まで見たこともない、個性的なお姿でした。
加えて、台座と後光はどうやらお仏像を彫られた仏師さんとは別の方が彫ったものと推測できました。
ご本尊様に比べて一般的に普及している型で、かつ荘厳なお作りだったのです。
わたしたちはそのことをご夫妻にお伝えしました。
すると、奥様もご主人もお仏像に対する興味が深まったようでした。
お仏像の価値
わたしたちはお仏像をたくさん見てきていますので、そのお仏像がどれくらいの歴史のものだとか、
どれくらいのクオリティかがわかります。
しかし、ここで申し上げたいのは、お仏像の価値についてです。
どんなお仏像にも価値があり、古さやクオリティに左右されるものではないと、わたしは考えています。
なぜならお仏像は、長い間大切にお参りされてきたこと自体に大変大きな価値があると思うからです。
ご本尊様を引き継ぐ
ということで、このお仏像は修復されることになり、
ご夫妻はお仏像がよく映え、かつ新居の内装にピッタリなお仏壇をお買い求めになりました。
さて、今回のポイントは、お仏壇を新しくするときにご本尊様を修復し、引き継いでいくということです。
上記の例で言いますと、
面倒を見る人がいなくなった(跡取りがいない家の)ご本尊様を、嫁ぎ先で引き継いでいくということです。
それには、旦那様のご理解が必要だったと思います。
奥様の実家のご本尊様の面倒を見ようという気持ちのある旦那様は、いい旦那様だなと思います。
それに、このように奥様の実家のご本尊様を引き継いだお宅は、
奥様と旦那様の両方のご先祖様のパワーに見守られていくような気がしてなりません。
今回は、奥様の実家のご本尊様を引き継いで修復するというパターンでしたが、
もしかするとこれからは、このように跡継ぎがいないお宅のご本尊様を引き継ぐことも、案外珍しくなくなるかもしれません。
今回のお話は、そんな場合の参考にしていただけるのではないでしょうか。
というわけで
今回お話ししたお仏像を修復するタイミングは
「住まいを変えるのに合わせてお仏壇を買い替えるとき」でした。
お仏像を修復するタイミングはまだまだほかにもありますので、また次の機会にお話ししますね。
どうぞお楽しみに。
それでは、本日もお読みいただき、ありがとうございました。
また次回お目にかかりましょう。