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榊原宏昌

介護現場をよくするコンサルタント

榊原宏昌(さかきばらひろまさ) / 経営コンサルタント

天晴れ介護サービス総合教育研究所

コラム

とある職員さんの嘆き(2019.4.18)

2019年4月18日

テーマ:日々の仕事から

コラムカテゴリ:医療・病院


とある職員さんの嘆き

ユニットケアの特養でのお話です。
1階の交流スペースで少し大きめのレクリエーションがあるということで、
職員さんが利用者さんを誘いに行きました。

「今日はまあ寝とる」との答え。
レクの内容もお伝えして、参加を促すものの、
「ああ、今日は行きたくないんだな」と感じ、
参加はされませんでした。

偶然、ご家族(息子さん)が来られて、
1階のレクを見て「うちのばあさんは来とらんかな」と探していたとのこと。
すると、上司から怒りの内線電話「なんで、〇〇さん来てないの!!!」

ご家族がユニットに来られたので、
職員「すみません、お誘いしたんですが、今日は行かないとおっしゃられて・・・」
と伝えました。
ご家族「ばあさん、行かんのか?」、
利用者「今日はまあ行かん」、
ご家族「そうか」、との会話。

ご家族としては、別にばあさんがそう言うんならね、
と当たり前のような顔をしておられた、とのことです。

上司の姿勢としてはどうなんでしょうね。
「レクに来ていないのは悪」
「家族の前で恥ずかしい」
なんでしょうか。
でも、こんなコミュニケーションを続けていたら、
利用者の意向を無視して、
無理矢理レクに連れてくるような介護職員ばかりになってしまいそうで・・・。

介護をする上で、何が適切かを分かっていない上司が多いなあ、と思います。
そして、職員含め、人の気持ちが分からない上司も多いなあ、と。
人の気持ちが分かる、とは、対人援助の仕事では基本的なスキルであり姿勢だと思うのですが・・・

また、人の気持ちは簡単に分からないからこそ、対話が重要なのですが、
対話が重要な福祉の現場において、対話がほとんどなされていない、とも思います。

介護において何が適切かを考えるうえでも、
職員のモチベーションを考えるうえでも、
上司の存在って大きいよな、
と考えさせられるエピソードでした。

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