~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 63 ~
■ 6/26全日本大会にて ■
参戦した女子3名、敗退したものの素晴らしい戦いを見せてくれました。かろうじて帆南がベスト8になり表彰を受けました。初戦はカザフスタンの選手と戦いましたが、やはり外人に強い帆南でした。その理由は帆南先生に直接聞いてみてください(笑)。美琴も明日香も私が思うよりも、レベルが上がっていました。練習の量もですが、質も大事ですね。
この大会に参加して気づいたことが3つあります。
ひとつは、この大会はジュニアについては予選勝ち出場権を得なければ出場できない大会なのでレベルが高いです。山梨の生徒もこういう大会で上位入賞をするためには組手のレベルアップがさらに必要ということでした。これは後述しますが8月よりクラスの見直しを行うこととしました。
もうひとつは、中学生の部で下段回し蹴りが強く、初戦は一本勝ちした選手がいました。しかし、次の試合では相手に効かすことができずに、スタミナ勝負となり敗退しました。推測するに彼は下段が強く得意だったため多くの試合では技有りや一本勝ちで勝ってきたため、それを攻略された時の対策をとってこなかったのだろうなと思いました。得意技や長所を伸ばし、練習するのはもちろんですが、短所を無くしていく練習もとても大事だと改めて思いました。勝ち上がるためには、得意技を攻略されても、対応できるようにしておかなければなりません。
最後は、今の空手界で未だにこういう奴がいるのだと驚いた話です。高校生の部で、髪型も色もいかにもという選手がいました。自分では強いつもりなのでしょう。負けん気だけはありました。判定の際も止まっていることができずコート内をウロウロ挨拶も適当。試合内容も当然よろしくないので負けましたが、コートから降りて一目散に相手の所に向かって行って「おっ!偉いぞ!挨拶は自分からしっかりしに行くのだ」と思ったら、相手を突き飛ばしていました。開いた口が塞がらないというかなんというか、冒頭の未だにいるのだという驚き、まぁ、親もそれっぽい輩でした。やっぱりという感じ。私は、すかさずどこの道場だと調べました。彼一人のせいでこの道場はこういう道場なのだと思われてしまいました。
私たちの行っている空手は武道です。試合という勝ち負けのある競技でも武道性を追求しなければなりません。すなわち礼儀やルールを守ることが大切です。反則とは、やってはいけないことです。少しなら良くて、たくさんはダメということではなく、やってはいけないことです。観客とともに盛り上がるスポーツや格闘技とも違います。これらは得点が入ったり勝利したりすると、喜んだりガッツポーズをしたりしますが、武道はできません。そもそも武術は殺人術です。果し合いに勝つということは相手が死んでいることとなります。その傍らで喜びを表現するということは、相手を冒涜する行為となります。武道にはこのような考えがあります。ぜひご理解ください。
そして、選手たちの行動もそうですが、試合会場では保護者の行動も見られています。子どもを叩いたり叱ったり、感情的になってしまったり、会場や駐車等のマナーの守れない方は、見られています。士衛塾の生徒や親があんなことをしていたぞ!とならないようにお願いします。たった一人がそうすることによって先輩たちが今まで一生懸命に作り上げてきたものが崩れてしまいます。
士衛塾は、空手界の地位向上のため、模範となり、日本武道と礼節を極めようと努力をします。門下生はもちろんですが、保護者もぜひ子どもの見本となってください。門下生も保護者の皆様も、先輩たちの立ち振る舞いを参考にしていただければ幸いです。
■ 7/3武神大会 ■
約1300名が参加した大会。開会式から素晴らしい演出でした。ぜひ来年は多くの参加があると良いですね。初級から上級分けまであるのでぜひ大舞台で練習の成果を見せてください。今回は私と金丸優奈と伊藤帆南の参加でした。優奈はくじ運がとても良くて、一回戦の相手は昨年優奈がJKJO全日本大会で戦った絶対女王に勝った高校生です。目下敵なしの相手です。素晴らしい相手とお手合わせをできることは、優奈自身の成長につながります。こういうことはお金を払ってでも経験した方が良い。残念ながら負けてしまいましたが、よく頑張りました。舞台から降りてきたとき涙目でした。相手の突きが強くて息ができなかったそうです。私は、久しぶりにやらかしました。試合5日前の練習で久しぶりにわき腹の肋骨を痛め(骨折)てしまいました。時々試合前に「だっちもない(方言)」ことをやらかします。なので、そーっと試合前まで過ごしました。試合自体は初戦は勝ちましたが、次で敗退。最近の省エネな戦いでこんなもんで勝っただろうと言う勝手な思い込みで負けるというパターン。もっと一生懸命にやらんかい!自分にと言いたくなるような戦いでした。幸い、肋骨は叩かれることなく無事で悪化もしませんでした。私も優奈も、痛みに耐えてよく頑張ったと思います。
■ 組手強化クラス新設 ■
前項に書きましたが、組手のレベルアップのためのクラスを新設することとしました。
現在、上級・選手クラスが士衛塾山梨の技術や知識とも最高峰の練習となっています。上の帯を目指す方、特に紫帯以上は黒帯になるために、参加必須となっています。最近、このクラスはその時々の習得するテーマを軸に基本稽古から型や組手まで盛りだくさんな内容となっています。
それとは別に新設のクラスは、組手のみに特化したクラス「組手強化クラス」を新設します。この組手のレベルアップのための行う日は、毎週火曜日 19時30分から21時までと毎週金曜日18時から19時30分。早い時間と遅い時間の二つ設定しました。年齢等の分けは作らず、都合でどちらでも、どちらも参加して結構です。そのため、火曜日19時から20時30分の自主練と金曜日18時から19時の初中級クラスは廃止となります。
そして、組手強化クラスの参加条件は「組手の試合に出る門下生」とします。「試合に出る」とは、間隔は別にして、定期的に試合にでている方や、今回初めての試合に申し込んだ方を対象としています。試合に出る予定のない方、いつか出るなどの目標設定ができない方、過去にて出ていた方は対象外とします。内容は、基本稽古等は省き、ミット打ちやフィジカルトレーニング、組手などです。なお、金曜日19時30分からの、上級・選手クラスは、今までと変わらず、誰でも参加できます。内容も同じです。
通常の支部や本部の稽古では限界があります。ぜひ、組手まつりや上級・選手クラス、そして今回新設の組手強化クラスの通常稽古と違う、特別なクラスへの参加をお待ちしています。
■ J-1 朱鷺CUP ■
コロナ禍になって、およそ2年ぶりの新潟でした。そしてコースター(マイクロバス)とグランドキャビン(ワゴン車)に乗って行ったのも同じく2年ぶりでした。みんなで同じ車に乗ったとはいえ、コロナの第7波のため、あまりお話はできず、窓も空け、常に換気を行いながらの乗車でした。
コロナ前は、毎月のように行っていた新潟でした。本当に久しぶりで、慣れ親しんだ道のりと思い出を辿りながら向かっていきました。私としては「やっと帰ってきました!」という思いでした。
さて、大会の方は一生懸命に練習した子たちの頑張りはすごく良かったです。型も組手も、あと一歩のところで敗退してしまった子も、そのほとんどが相手は上の帯の子でした。同じ帯なら勝っていたかもしれません。ただ残念なことに負けてしまった原因は、いつも「そこは直さないと勝てないよ」と言われているところが原因で負けてしまっています。前段で書きましたが、対戦相手に短所をつかれてしまいました。参加したそれぞれが、今後の課題が明確になりました。それを直していくのは、努力しかありません。ひたすら練習するしかありません。それができるかできないかが人の価値を決めていくと思います。大人とか子どもとか関係なく、課題を見つけ、それの攻略法がわかったらあとはやってみる。ひたすら努力する。それが才能だなと思います。人は誰でもやればできます。可能性は無限大です。
型もほとんどの子が練習よりも数段よくできていました。山梨の子たちはすごいとしか言いようはありません。私が子どもの型を演武している姿を見て「カッコいい!」と思ったほどでした。特に、型は「正しいことを行う」練習量が比例します。みんなこの間の練習、良く頑張りました。素晴らしかったです。
頑張って試合に出ている子のレベルは確実に上がっています。
■8月より指導員が増えます ■
8月の上旬より私の息子の龍平が東京から帰ってくるので、士衛塾山梨の指導員が増えます。今までも時々帰ってきて指導をしていましたが、常時指導することになりました。
龍平が空手を始めたのが小学1年生でした。余談ですが、私も子どもたちと一緒に始めたので空手歴は一緒です。彼はずっとクラスで一番背が低かったです。高校に行ってやっと自分より背の低い人に出逢ったと喜んでいました。小学校の運動会では、いつも一番前なのですぐに居場所が特定できる親思いのいい子でした。背が小さいことが、言い訳ではないのですが、昔の組手は技術というより体格やパワーで勝敗が決まることが多く、試合ではあまり勝てていませんでした。稽古に向かう車の中ですすり泣く声や、なぜかお腹が痛くなったり、頭痛がしたりと帆南先生ともに色々と私たちをてこずらせてくれました。私達夫婦の間では「絶対に辞めさせない」と決めていましたが、ある時、あまりの不甲斐なさに限界を超え「そんなんじゃ、空手を辞めてしまえ」と言ってしまった時に「えっ!?本当にいいの?」と安堵の表情を浮かべられたときは、国会の答弁ではございませんが、会話の議事録から削除させていただきました。「やばっ!言っちゃった」という失敗談です。
そんな彼も、中学を卒業して新潟の高校に進学し、本部で総裁や師範の下で指導を学んできました。高校の途中からテコンドーも始め、テコンドーの推薦で大学にも行きました。テコンドーの強豪校でしたから、それは過酷な練習をしてきたはずです。ちなみに藤巻家の長男の光も同じ道を辿っています。彼は、初段を取るときは、今よりも厳しかったため、8回目の受験でやっと取れました。その時は年に二回の審査会だったので4年かかりました。いつしか毎回初段を受験している経験豊富な龍平くんとなっていました(笑)基本や型は申し分ないのですが、いつも組手審査がクリアできずにいました。それもそのはず、組手の相手は世界チャンピオン級の仲間ばかりでした。最後は、総裁が「これだけ頑張ったのだから、初段にする」と言っていただいて取得できました。ミスター努力の人です。
指導は、細かく的確です。当然アドバイスも的確です。なぜか彼の人生は常に努力が付きまとっているため、短所を長所に変えることができる天才だと思っています。彼が帰ってきたら、もちろん無償で、私の専属トレーナーになってもらってトレーニングのメニューを考えてもらい、彼にしごいてもらいながら私は強くなろうと思います。スポーツトレーナーになれるくらい勉強していますし、マッサージも勉強していますので、お知恵を拝借してみてください。
先に書いた試合前だというのに、何年かぶりに、私の肋骨を痛めつけてくれたのは彼です。その点は「あかん」と思います(笑)。こいつには組手では決して油断はできないと思う父でした。
ベートーベンの名言です。「努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している」
人は何に対しても努力できなくなったら終わりです。しかし、時には努力から開放しサボったりボケーっとすることも大事です。
よろしく頼むね、龍平。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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皆さまと出逢えるのを楽しみにしております。
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