~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 58 ~

伊藤龍吾

伊藤龍吾

テーマ:伝えたいこと


士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します

2022年 6月号 士衛塾山梨ニュースより

この間感じたことなどを、こちらに書いています。ぜひ、皆さまご一読いただければ幸いです


■ 久しぶりの夏合宿!!! ■
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年と2021年に開催されなかった「夏合宿」が、久しぶりに計画されています。8月20日(土)~21日(日)は、小学生以下の「ジュニア夏合宿」。8月27日(土)~28(日)は、中学生以上の「一般部夏合宿」となります。今回も審査会を兼ねて新潟市で行う予定です。
山梨からは、マイクロバス等を仕立て参加する予定ですが、ご家族や個人で行かれても結構です。例年マイクロバス組は、ジュニア夏合宿は前の晩に山梨を出発するので、バスの車中泊を含め二泊三日の旅となります。親元から離れ、子どもたちだけで過ごす貴重な時間と宿泊と、二百人ほどの士衛塾の仲間との長時間の稽古は子どもをビックリするほど成長させます。親から見ると「何にもできない」子どもは、親元から離れると「しっかり者」に変身します。私たちはそれを見るのがとても楽しみです。
 夏休み最後の合宿という大きな行事は、大きく大切な思い出と、成長を促すはずです。

■ オリジナルTシャツ ■
 年に一度となりますが、士衛塾のオリジナルTシャツの販売をいたします。
 6月1日から9月30日の期間は通常の練習において、上衣の代わりにTシャツを認めます。ただし、士衛塾の空手衣に変わるものですから、士衛塾オリジナルTシャツのみで可です。それ以外の私服は不可となります。Tシャツの場合でも、必ず帯は締めてください。なお、シャツはズボンにしまうようにしてください。もちろん、公式な試合・行事は空手衣(上下)を必ず着用してください。そして、普段、空手衣の中に着用するTシャツも必ず士衛塾オリジナルの物でお願いいたします。空手衣でなく自由な服装で参加できるクラスは、月曜日、水曜日の本部フリークラス、火曜日の自主練習、水曜日・金曜日の組手まつりのみです。また、夏合宿に参加される方は必需品となりますのでご購入をお願いいたします。

■ 北関東ジュニア大会 ■
 5月1日に茨城県取手市で行われた「第2回北関東ジュニア空手道選手権大会」、野村栄人が優勝しました。対戦相手は一回りも二回りも大きく、パワーもあり、このまま判定だと負けてしまうという戦いも、相手の攻撃を耐え忍びながら上段蹴りで技ありを取り勝利を重ねました。素晴らしいです。選手クラスに参加している成果が出ました。3位入賞の野﨑光生は、試合前に「後ろ回し蹴りをやる」と言って、しっかり試合で技を出し、それも技ありを取るという離れ業を披露してくれました。光生は、千葉に引っ越して住んでいるため、普段は帆南先生とのオンラインでの稽古とたまに山梨での稽古が主となっています。組手での対人稽古がなかなかできないため、打たれ弱さが課題ですが、足技の攻撃力は目を見張るものがあります。いつも山梨まで稽古に連れてきてくれるお母さんに心から敬意を表したいと思います。そして、この二人の試合は、どんなに不利な状況下でも、上段蹴りで逆転ができるということを見事に証明してくれました。

■ IBKO神奈川県大会 ■
 5月15日に横浜武道館で開催された「第18回神奈川県空手道選手権大会」。私は仕事の会議で行けなかったため、様子を聞き、動画を見させてもらいました。
 前田悠冴は、嬉しい初優勝でした。5月1日の大会で、勝てるはずの相手に負けてしまい、お説教をされ、一念奮起しての試合。やればできます。試合の翌日の月曜日も、7時から8時半の本部練習に加え、その後も残り9時半まで私たちと自主練習を行っています。忍野村からいつも来てくれるお母さんの努力の賜物です。ありがとうございます。宮下琉汰は、ビックリするくらい良い試合を見せてくれました。体格差のある相手の果敢に攻めつつ、変則的な上段蹴りで技ありを連取。久しぶりにスピーディーで素晴らしい試合を見ることができました。宮下聖矢は、組手が少し変化しましたね。自分の特性を生かしつつ、相手の弱点を執拗に攻める姿勢は勝利へのこだわりを感じます。中村仁実さんは、来年の世界大会や初段取得への準備ができましたね。シニア女子の先頭となって、ぜひ士衛塾みんなのお手本となってください。期待しています。
5月1日と15日の大会で入賞された方は、次は中級や上級へのチャレンジとなります。また勝てない日々が続くこともあるかもしれませんが、これも修行です。たくさんの負けや失敗を繰り返しながら大きく成長していってください。先輩たちもそうやって成長してきました。諦めずに頑張れば必ず、様々な形で日の目を見ることができます。
 「自分に負けない」ことが勝利の秘訣です。

■ 類は友を呼ぶ ■
 「類は友を呼ぶ」ということわざがありますが、適当な人の周りには適当な人が集まり、悪い人の周りには、悪い人が集まります。同じようなことをしている人たちは、話が合うので仲間になりやすいということです。
 一般的に、例えば、部活では上手な人どうしや、下手な人どうしが集まりやすいものです。もちろん性格があう、あわないもありますが、自分よりはるかに実力のある人たちの中では、自分が劣った存在に見えるので居心地がわるいものです。そこで、自分と同じくらいの人と集まりやすくなります。なかには、自分がその中で一番上になって偉く見せたいために、自分よりも下の人の仲間になる人もいます。
 空手でも同じことがいえるでしょう。一生懸命取り組む人の周りには、一生懸命な人が集まります。ただし、一生懸命に取り組もうとする人には、必ず「そうはさせない」と足を引っ張ろうとする人もいます。こういう人の意見を聞き入れず、師の言うことを聞き、前を向いて走る人は成功していくのでしょう。
 成功したかったら、成功者の話しを聞いてください。そして、実践してください(聞いているだけでは、何の行動もしていないのと同じです)。試合に勝ちたかったら勝者を参考にし、強くなりたかったら、強い人と戦ってください。自分より弱い人と戦ってばかりでは、相手は強くなっても、自分自身は強くなりません。お山の大将は気分が良いですが、いつか追い越されます。
 いつも山梨の生徒の皆さんには話していますが、黒帯になりたかったら、実力・強さは別にして、「黒帯と同じことをしてください」。「黒帯になったら・・・」では遅いです。なる前に、同じことができることが大事です。だから「認め」てもらえるのです。「・・・たら、・・・れば」は必要ありません。目標に向かっている時に、「言い訳」は必要ありません。やらない、できない理由を考えるのに知恵を絞るなら、「困難な中、どうやったらできるだろう」ということに知恵を絞ってください。言い訳をしている人は、結局「何の行動もしていません」。
 格差社会の中、一生懸命に取り組んでやっと「普通」になれます。そして、さらに上を目指したかったら、小さい頃からの、成功体験が大事です。しかし、その陰には、その何十倍もの失敗も体験します。これらを乗り越えることが、大人になった時に大事な「力」になります。
試合でもそうです。勝った時より、負けた時にどう考え、その教訓を、どう「次」の行動に生かすかです。試合の勝ち負けだけがすべてではありません。試合で何を学ぶか、それを日常(練習)にどう役立てるか。
 「たかが」空手、「されど」空手です。武道とは、人生の縮図です。色帯(未成年)で、失敗しながら、黒帯(大人)になるために様々なことを学び、黒帯になった時に自分で考え、立派に自立できることです。そして、黒帯(大人)はゴールではありません。ここからが本当の自分自身の始まりです。
 親を越えさせるためには、親と同じことをしていたらダメです。親の考えの囲いの中で子どもを育てるのではなく、その囲いを取っ払い、様々な苦労をさせてあげないとダメです。その手段として、たくさんの経験を積ませてくれる空手は最適だと思います。あいさつ、礼儀、忍耐、喜び、悔しさ、悲しみなど、人生でとても大切なことを学び続けることができる「道」だからです。「道」は、自身が果てるまで続きます。人生と同じです。部活のような、有終の美はありません。果てなき「道」への自分自身への挑戦です。小さいうちから、このような経験をし続けていけることは、人生の「宝」です。
 私たち指導者も、指導者という名に甘んじることなく、日々、勉強しながら果てなき道を極めようとしています。空手道ですから、師弟関係も大事です。しかし一方で、門下生と私たちは道を極めるための同志でもあります。ともに学びあいながら、一人一人の道を極める旅を続けていきたいですね。いつまでも、一緒に歩んでいきましょう。

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

伊藤龍吾プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

伊藤龍吾
専門家

伊藤龍吾(格闘家)

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

世界大会入賞者を多数持つ士衛塾では、初心者から上級者まで、目的に沿った指導ができます。指導者はプロとして自覚と誇り持ち、常に研究と勉強・実践を怠りません。一流の道場からは一流の選手が育ちます。

伊藤龍吾プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼