マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 54 ~

2022年1月24日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事


士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します。

2022年 2月号 士衛塾山梨ニュースより

この間感じたことなどを、こちらに書いています。ぜひ、皆さまご一読いただければ幸いです。

■ 新型コロナ第6波など、感染症への対応 ■
 懸念されていた新型コロナウイルス第6波に突入しました。私たちにできることは、今までの感染症対策をしっかりと徹底することしかできません。道場としては、従来の感染症対策に加え、本部道場の空気清浄機の買い替えと大型の加湿器を二台購入しました。
 今回のオミクロン株は鼻や喉に症状が出やすいとのことで、普通の風邪と症状の区別がつきにくい様です。そして、この時期は、通常でも風邪やインフルエンザが流行る時期でもあります。
 暖房設備の無い会場では、防寒対策をしっかりする。稽古で汗をかいたら、着替える。しっかり稽古したら、しっかりと休むなど、体調管理をしっかりと行い、身体を万全な状態にしましょう。また、コロナに限らず感染症を広げないために、発熱・鼻水・咳・下痢・極度の疲労や、いつもと体調が違う様でしたら、稽古を休むなどして、移さない対策をとってください。
 今後のコロナの状況で開催するかどうかは別として、大会も目白押しです。せっかくの大会出場が感染症で参加できなくなるなどの事態にならないよう、みんなで協力し合いましょう。
 現在、感染者は過去最高の記録を更新していますが、国や県の行動制限は今までとは違い、かなり緩和されています。道場としては、これらの動きに注視しつつ、稽古スケジュールを組んでいきたいと思います。ただ、現段階では、コロナの影響による稽古スケジュールの変更はございません。

■ 成人式後カラオケでのクラスターに思うこと ■
 山梨県でグリーンゾーン認証カラオケ店において、成人式後のカラオケで新型コロナのクラスターが発生しました。新型コロナウイルスの感染が拡大している中で、新成人として「大人」の自覚とともに、慎重な行動が求められる一方で、コロナ以前の風邪やインフルエンザだったら全く報道にもならず、騒ぎにもならなかっただろうと思われます。
 親御さんなら記憶にあると思うし、実体験としてあると方もおられると思いますが、県内外へと散らばり、久しぶりに集う場である成人式。再開した仲間とともに近況を語り合い、思い出話や仕事や学校の悩みや愚痴、将来の夢を語り合う場が、感染症対策で奪われています。仕事でも、上司や仲間、後輩、関係先との飲み会や集まりで様々な話ができます。こういった集まりで語り合うコミュニケーションが、人生を左右する場合も多々あります。
 私も多かれ少なかれ、飲み会で先輩方から良くも悪くも色々なことを教わり、それが今も生きています。「青春(死語ですかね?)」時代の貴重なコミュニケーションの機会、特に子どもたちは人と人が「わちゃわちゃ」と触れ合いながら成長していくはずが「ソーシャルディスタンス」を保たなければならない。マスクで口元が見えないという生活をしなければなりません。世知辛い世の中になってしまいました。この生活様式が終了することをただ願うばかりです。

■ 頑固であること ■
 なかなか無くならない「頑固?」なコロナですが、「頑固」とは、あまり良い意味で使われません。しかし、裏を返せば「ビシッと一本、太っとい筋が通っている」「絶対諦めない強さ」を兼ね備えています。浅く適当に器用に何でもこなすのではなく、頑固な職人のように決して諦めず、唯一無二の素晴らしいものを作ることができると思います。
 こうしたことから、大人も子どもも空手を習う武道家は、すべからく「頑固」であるべきだと思います。自分を取り巻く状況が大変であればあるほど、決して諦めず、手を抜かず、死に物狂いで稽古をするべし!そんな「頑固さ」が、今からの時代には必要とされていくと思います。

■ 軸はブレる?ブレない? ■
 前項と違った角度で「軸」について考えてみました。生き方や考え方の「軸」は、大きくブレないことにことに越したことはありません。
 武道において「軸」は、とても大切な一つです。稽古でも常に「軸を意識して」もらっています。例えとして「独楽(こま)の中心の棒」です。コマを回すときに、この軸が中心になかったり、斜めになっていると、コマは綺麗に回り続けることができません。空手における様々な動作も、この中心軸を意識して行います。この「軸」がわからない人は自分がブレているのか、ブレていないのかさえ分かることはできません。そして、「軸」がわかっていれば、時には「あえて」軸を中心からずらしたり、無くしたりすることができます。また、高等技術として、自分の軸を相手の軸に重ね、相手の軸を乗っ取ることもできます。これらは生き方の戦略としても使うことができます。
 いずれにしても、自分で自分自身の軸が分かり、しっかりしていないとできないことです。先ずは空手の稽古で「軸」を意識することです。

■ 試合に出場する意味と意義 ■
 さて、各種大会もコロナの感染対策を行いながら、段々とその数も増えてきました。いつもお話しさせていただいているように、学習塾に例えると、稽古は塾で行う実践を伴った講義であり、試合はレベル分けをされたテストです。これを受けることによって、本番においての自分の到達点や弱点を把握することができます。空手のレベルを上げるためには必要なことです。もちろん、「空手を習う目的」は人それぞれなので、必ず試合に出なければいけないということは決してありません。健康のため、昇級を意識せず、楽しく身体を動かせればいいなどの目的であれば試合は必要ないでしょう。しかし、上級の帯を目指すためには、試合経験や入賞成績があまりない場合は難しいです。
 私が試合になぜ出場しているかというと、1、過去の自分、その時の周りの人間に言われたことを「見返したい」、周りの指導者や生徒に負けたくないという「意地」。2、できるだけ緊張する場や恐怖する場を避けたいという場から「逃げない」。3、試合会場に引率で行き、私の出場できるクラスがあって「これなら出ていたら優勝できたかも」と「後悔したくない」。4、自分の指導したことが実際に試合で使えるのかという「検証」。5、多分、試合に出ないと稽古で手を抜くので、自分をそうさせないための「目標づくり」。6、敗退した対戦者に追いつき追い越そう、あの人の年齢まで試合に出ようという「目標達成」をするために。7、稽古の到達点と弱点を知るとともに「経験値の蓄積」。等々です。
 もちろん試合に出て怪我をしてしまうと次に出るのに躊躇してしまいますが、ダメージがあまりないので、極端な話し、二日連続でも試合に出られるかもしれません。過去には中二日で全日本大会に出場し、両方とも優勝した経験もあります。あと、やっぱり「賞が欲しい」ですね(笑)。
 それから、試合は特別なことなのだろうけれど、特別じゃないと思うようにしています。勢いで申し込んでしまった割には試合一週間くらい前になると、なぜ申し込んでしまったんだろう。不謹慎ながら地震でも起こって中止にならないかな。試合当日、対戦者が来なきゃいいなとか考えます。試合前は体に力がはいらないし。マイナスばかり考えます。そうは言っても、直前では緊張して過ぎてしまうより、この日のために稽古をしてきたのだから、楽しもうと、気持ちを切り替えて何とか試合ができます。やはり、戦っているのは自分自身ですね。プラス、壮年は健康も(笑)

■ レベルを上げる ■
 支部や本部の通常の稽古では教える側も限界があります。練習内容はできるだけ初心者側の内容とし、その日の参加者のレベルの平均値で教えるようにします。初心者から上級者まで楽しく学べる場としていますので、難しいことは伝えきれません。
 年数が経つと試合も初心や初級クラスでは出ることができません。組手のレベルアップも必要となります。当然練習内容のレベルアップが大事です。そのためにも、本部の金曜日19時30分からの上級・選手クラスに参加してレベルアップしてください。上を目指し意欲ある新しい参加者を心より歓迎します。小学校低学年や白帯でも参加可能です。この方たちはできることをできるだけ行えば良いです。紫帯以上は黒帯になるために、参加必須です。よろしくお願いいたします。レベルの高い環境に置くと自然とレベルアップするものです。ぜひ、ご相談ください。

■ 私の転機となれ!全日本大会 ■
 16日に極真の全日本大会に出場しました。自分自身の試合前の手ごたえでは、最低でも3位か4位にはなれるだろうと思っていましたが、あえなく敗退。しかも、4月の富山大会で勝った人に負けました。その時に「極真の全日本大会で、伊藤さんの闘いを見て、ずっと目標にして練習してきました」と言っていただいた方です。それから約9カ月、あっさりと追い越されてしまいました。完敗です。この間、すごく練習したのでしょう。見違えるほど強くなっていましたし、しっかりと私を攻略してきました。その方から今回Facebookでコメントいただきました。「龍吾さん、ありがとうございます。試合の道標を与えてくださり、心から感謝してます」。この言葉に私は、感謝しかありません。と同時に応援したい気持ちとともに、泣きたくなるほどの悔しさでいっぱいです。
 壮年の出場者は、自分自身の病との戦いでもあります。脳梗塞で倒れられて復帰した方もいます。満身創痍で出場されている方もいます。人生経験やプライド、様々なものを背負って出てきています。本当に重たいです。「果たして、私は何か背負っていたのでしょうか?」「死に物狂いで稽古してきたか?」答えは「No」だったのでしょう。
 この全日本大会では、本当に素晴らしい方々との出会いがありました。まるで旧知の仲間のようです。世界大会ではこの仲間を応援したいし、優勝してもらいたい。心底そう思えます。そして、新たな目標でここの頂点に立ちたいという目標も持ちました。嬉しさも、悔しさも、すべてをバネにして、きっと這い上がって見せます。
今までの私から変われる、その転機となる全日本大会とするべく、身を引き締めで稽古に励みたいと思います。
 それから私の目標とする先生の一人に沖縄県石垣市の先生がいます。コロナ終息後には出稽古(観光!?)に私が負けた方とともに行く約束をしました。必ず行きます。その時は、門下生の皆さんもお誘いします。ご都合がつく方はぜひご一緒しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

士衛塾山梨では、一緒に空手を学ぶ仲間を大募集しています。
皆さまと出逢えるのを楽しみにしております。
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