~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 50 ~

伊藤龍吾

伊藤龍吾

テーマ:伝えたいこと


士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します。

2021年 10月号 士衛塾山梨ニュースより

この間感じたことなどを、こちらに書いています。ぜひ、皆さまご一読いただければ幸いです。

■ オリ・パラを終えて ■
 2020東京オリンピック・パラリンピックが終わりました。コロナ禍の中での開催にあたっては賛否があることと存じます。しかし、選手たちの素晴らしさには感動を覚えました。
 特にパラリンピックの開会式で、テーマである「翼」を表現する「片翼の小さな飛行機の物語」で主人公を務めた和合由依さんは、「見えないけど(誰でも)翼(勇気)は持っていると思うんです。翼を広げて、羽ばたいていく人生。そういうメッセージをみなさんにも受け取っていただいたいいなと思います」と語っていました。
 13歳の少女の発言とは思えないくらい素晴らしい、そして重たい言葉です。
 東京パラリンピックをきっかけに「WeThe15」と名付けたキャンペーンが呼びかけられました。世界人口の15%にあたる約10億人が何らかの障がいを持った人々で、身近にいる多くの障がい者に積極的に目を向けるよう呼びかけています。
 障がいには、身体的・精神的・感覚的な障がいがあり、先天性のものもあり、事故や病気、戦争などの後天性のものもあります。自分自身がいつ脳血管障害で障がいを抱えるやもしれません。彼らは、できることをできる限り努力し、できないことを可能にします。彼らは本当に素晴らしいと常々思います。
 私は、障がい者スポーツ指導員という立場で障がい者スポーツに関わらせてもらっています。実際に競技を目の当たりにすると、特殊能力でもあるのか?と思うほどです。例えば、視覚障がい者の卓球(STT=サウンドテーブルテニス)ですが、一般的な卓球と異なり、卓球台から4.2㎝上げたネットの下を、音の鳴るピンポン球を転がして打ち合う競技です。選手は、球の行先はもちろん、球が落ちるかどうか、音で聞き分けることができます。実際私がやっても球にかすりもしません。ボッチャもやってみましたが、とても素晴らしい競技です。
 人は、それぞれ個性があります。それは見た目であったり、性格であったりします。障がいもその個性のひとつだと思います。ただし、標準的な社会生活を送るのにはハードルが高く、介助がなければ生活できないなど、助けが必要です。障がい者がくらしやすい世の中は、当然健常者もくらしやすいです。数年前に全国障がい者スポーツ大会で出会った筋ジストロフィーで車いすの当時高校生、今は成人の彼。あまり長くは生きられないのですが、しっかりと夢を持ち、それに向かって精一杯生きて頑張っています。
 五体満足でいられるみんなに・・・。
 いつ、自分が普通にできなくなるなんてわからない。10年後かもしれないし明日かもしれない。だからいまこの瞬間を一生懸命に。自ら選んだ、与えてもらった試練に感謝し精一杯やってみよう。思いっきり大きな声を出し、ヘトヘトになるまで思いっきり体を動かし汗を出し、頭をフル回転させてみようではありませんか。

■ 想像力が乏しい ■
 BBQのゴミ放置など、ことのほか最近はルールやマナーの守れないニュースが目に入ってきます。「これをやったら、どうなるのだろう?」という想像力の欠如というか乏しい。
 良い方向へと進んでいるならともかく、悪い方向なら…。例えは悪いですが、道場のトイレ汚して、そのままにしたら。そのあと、誰が掃除するのでしょうね?掃除した人は気分悪いですね。
 私は、練習で口を酸っぱくして、「イメージして、想像するんだよ」と言っています。そういう人になってください。それが強さ、優しさにつながります。

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伊藤龍吾
専門家

伊藤龍吾(格闘家)

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

世界大会入賞者を多数持つ士衛塾では、初心者から上級者まで、目的に沿った指導ができます。指導者はプロとして自覚と誇り持ち、常に研究と勉強・実践を怠りません。一流の道場からは一流の選手が育ちます。

伊藤龍吾プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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