~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 16 ~
士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します。
2021年 5月号 士衛塾山梨ニュースより
■ 女子・おやじ稽古会 ■
昨年の9月以来、約半年ぶりに女子・おやじ稽古会に参加してきました。およそ半年に一回程度開催している会です。
栃木の如心館の亀山先生の呼びかけで、最初は女子だけだったのが「おやじ」に広がり現在に至ります。女子の講師の一人に帆南先生が毎回務めさせていただいております。
主宰の亀山先生はもちろん、参加者の中には私と試合で戦ってくれた方がチラホラといます。私にとっては、一度真剣に拳を交えればそれは「拳友」となるので、とても仲良しです。この歳で、そんな仲間が増えていくのが楽しくて仕方ありません。仕事の立場では偉い人も、そうでない人も、ひとりの空手をやる者としては平等で、そこには仲間意識と尊敬があります。
井の中の蛙ではありませんが、外に出て客観視することで気づくことはたくさんあります。まさに参加するたびに、たくさん勉強をさせていただいています。本当にありがたい稽古会です。
■ 残念ながら閉店 ■
恒例で、稽古会の後は参加者で築地のお寿司屋さんに行くのですが、十数年来通っているお寿司屋さんがコロナの影響なのか閉店していました。残念でなりません。年に数回しか行くことができませんでしたが、私たちを覚えていてくれて「今日は、試合ですか?」と聞いてくれたりしていました。
素晴らしいお店で食べる味は、幸せであり、そしてその時の思い出であり、とても大切なものです。それが無くなるのは、とてもさみしいものです。特に私は家が貧乏だったため、食べるのに困った幼少期でしたから、「食」へのこだわりと思いは人一倍です。
次からは、築地で新たに開拓をします。みなさん同行された際はぜひ、ご一緒しましょう。
■ 久しぶりの試合 ■
4/11の富山での大会、なんとか優勝することができました。
この大会は、2012年、2013年、2014年と三連覇したので、その後出ていなかったのですが、昨年、久しぶりに申し込みましたがコロナで中止、今回の出場となりました。
空手の大会は、コロナ対策については実績が多くあるので、この大会もしっかりと対策され安心できる大会でした。
富山の大会は、なぜか出るたびに優勝できる、なんとも縁起の良い大会です(笑)しかし、隣の福井の大会はいくら出ても準優勝と言う、何とも言えない大会です。
今回の参加にあたっては、みんながコロナ不安の中、まず指導する側の私が他県に出ていき実績をつくると言うことと、コロナ禍の中で、試合に勝つことにウエイトをおいた稽古から、地力を付ける基本や身体の使い方などに重点を置いた、稽古に切り替えたことが果たして効果があったのか、それが試合で使えるかどうかを試す場でもありました。
優勝したからと言うよりも、この間やってきたことが、実戦で使えたことは、この間の稽古は間違っていなかったと確信しました。もちろん、今までのことを行いつつ更なるレベルアップのために試合に勝つための稽古も今後はどんどん行っていきます。
今回、嬉しかったのは、決勝で戦った選手から、「極真の全日本大会で、伊藤さんの闘いを見て、ずっと目標にして練習してきました」と言っていただけたことです。
私自身、目標とする人はたくさんいるけれど、目標とされるなんて思っていなかったので、この歳で、そんな風に目標とされるのは、とても嬉しいことです。
■ 先日亡くなった柔道家と私の尊敬する空手家の言葉 ■
「柔道家に言われた『試合出ないの?』『なんで?』という言葉は、あの時、僕にはこう聞こえました。
『挑戦できる力を持っていながらなぜ、挑戦しないのか?』『闘えるのになぜ、闘わないのか?』」
挑戦することに、闘うことに、立派な理由なんていらない。まずは一歩を踏み出すこと。