~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 44 ~

伊藤龍吾

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テーマ:伝えたいこと



士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します。

2021年 4月号 士衛塾山梨ニュースより

■ 素晴らしかった冬合宿 ■
 3月6日に行った「冬期合宿」へのご参加、誠にありがとうございました。感想を一言で言うと「素晴らしかった」につきます。
 コロナ禍の中で、一堂に会した行事がなかなかできませんでしたので、久しぶりに人を集めての行事でした。今回は会場の収容人数にも45名と制限がかけられ、生徒でいっぱいになり保護者の見学もできない合宿となりました。最初は簡単に済ませればよいと私は思っていましたが、久しぶりの行事なので気合いが入りました。記念品の作成、技術組手の試合を格上げし、「蹴拳杯」に。筆記試験も行うなど、盛りだくさんの内容となりました。
 場所を県の武道館に変え、試合を公式試合の「蹴拳杯」という山梨県大会に変え、内容も盛りだくさんにしたことで、冬期合宿そのもののレベルが上がりました。特に「蹴拳杯」では、審査を受験する中学生以上の受験者にもスタッフとして働いてもらい大会運営を助けていただきました。なんと、最年長の小野浩二さんは審査の受験とともに公式試合の審判も初体験ということで、余計に緊張したことでしょう。最後のスパーリングでは、1分間の休憩のたびにその場に座り込んで「ジーザス☩」となっていました⇦私の勝手な妄想です。みんなと同じどころか、それ以上に一生懸命にやって、そりゃ疲れますよね。私が60歳になった時に、「こんな風になろう」という見本です。小野さん、頑張ってください!!
 合宿の「格」が上がったことで、参加者の緊張感が伝わってくる一日となりました。私は、普段の練習がカジュアルだとしたら、行事はフォーマルな場として行いたかったので、その点は思い通りにできました。もちろん普段からキチンとするのが理想ですが、なかなかそうもいきません。せめてフォーマルな場(本番)でキチンとできるか、実力が出せるかが大事です。一番ダメなのは、普段もダメ、そして緊張感のあるフォーマルな場でも頑張らないで、手を抜く人です。こういう人は一体いつ頑張るのでしょう(笑)当然、合宿・審査会に向けて頑張ってきた人、当日頑張った人、頑張らなかった人、差は出ます。
 否定的なことを書いていますが、今回の合宿参加者は本当に頑張りました。何度も言いますが、素晴らしかったです。普段の練習では、ふざけている子が真剣にやりました。練習中トイレに行く子が、ちゃんと休み時間にだけ行きました。長時間、集中が持たない子が、なんと集中してずっとやっていました。体力的に不安のある子も、ずっと頑張っていました。普段大きな声を出していない子が、大きな声であいさつや気合いを出していました。組手でも動きの速くない子が、めちゃくちゃ早く動いていました。幼児でも年上の子は年下の子の面倒を見ました。みんなで協力していました。とにかく凄かったです。成長した子どもたちのこんな光景を見ることができて、私はなんて幸せなのだろうと感動しました。
 多くの人たちは、格の高い相応な「場」と「雰囲気」と「緊張感」を与えると無限の成長を遂げるものだと実感しました。

■ 避難訓練 ■
 武術の勉強をしている際、空手などの武道・武術・護身術は「避難訓練」みたいなものだと言っていました。
 避難訓練で得たことは、実際に使わないに越したことがないが、「いざ使う」時に使えない場合が多い。それはなぜかというと、例えば災害を想定した避難訓練ですが、実際の災害をしっかり想定して真剣に行わなければ、本当に災害に遭った際にオロオロするばかりです。災害は通常の心の状態でないケースばかりです。その時に実際にできなければ避難訓練の意味がない。空手などの武道・武術・護身術も同様で、実際使うときは、試合はもちろんですが、普通の状態でない相当緊張する場面です。その時に習ったことが「真っ白」にならないで、できるかどうかということは、どれだけ実戦を想定して緊張感を持ち稽古しているかです。前に戻りますが、冬合宿が緊張感を持ちできたことは、参加者にとって大事なことでした。いつも、私が「想像(イメージ)して」と言っていますが、このことです。イメージトレーニングもとても大切な成長の秘訣となります。

■ SOS理論 ■
 先日、あるセミナーに出させていただきました。その中で印象的だったひとつにSOS理論がありました。「そう思ったら、そう!」です。
 あなたが「そう思ったら、そう!」です。あなたが「難しい(つまらない)」と思ったら「難しい(つまらない)」。あなたが「簡単(面白い)」と思ったら「簡単(面白い)」正にその通り!!
 考え方や物の見方は多種多様で、例えば空手を楽しくする人がいれば、つまらなく感じる人もいます。勉強が好きな人がいれば、嫌いな人がいます。「空手」や「勉強」自体は変わりません。その人がどう捉え、どう思うのかによって違うだけです。何に対しても「つまらない」とか「難しい」「面倒くさい」と思ってしまう人には「そういうもの」になってしまいます。考え方の方向性を変えると、きっと良いことが起こります。

■ チャンスや転機 ■
 生きていく上で結構大事なことは、チャンスを逃さないこと。また、転機を逃さないこと。これらに気づく感性を磨くこと。これらは、「これはチャンスだ!」「今が転機だ!」なんて露骨にわかるようにやってこない。振り返ってみて「あの時こうしていれば」なんて思うこともある。チャンスをものにする人の多くは、日常的にチャンスをものにしている。
 それは、自分でつかむこともあれば、他人から提示される場合もある。ごく簡単な例で言うと「この試合に出ない?」と勧められることも、小さいながらもチャンスである。出場することによって、今までそんなに身が入らなかった練習を一生懸命やることによって「転機」となる。「転機=変わるきっかけ」は、割と恥ずかしがりやで、節目を欲しがる。今年は。来月から。明日から。今から。試合に出るから等々。
 他人から提示されるチャンスも節目。小さいチャンスに気づかずに見逃し掴めない人がどうやって大きなチャンスを掴みものにできるのだろうか。
 大成功することが全てではない。
 今日、中段突きに疑問を持ち(チャンス)、考えながらやってみた(転機)、そうしたら前より良くなった(成功)。
 こんな積み重ねでよいと思う。

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伊藤龍吾(格闘家)

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

世界大会入賞者を多数持つ士衛塾では、初心者から上級者まで、目的に沿った指導ができます。指導者はプロとして自覚と誇り持ち、常に研究と勉強・実践を怠りません。一流の道場からは一流の選手が育ちます。

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