~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 20 ~

伊藤龍吾

伊藤龍吾

テーマ:伝えたいこと


士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを過去のニュースより転載します。

2019年 3月号 士衛塾山梨ニュースより

■関東マスターズのこと■
 前号からわずか一ヶ月、素晴らしいことが沢山ありました。まずは、関東マスターズ大会です。私は5大会連続優勝と記録を伸ばしました。藤巻先生は久しぶりの優勝。素晴らしかったのは初級にエントリーした、櫻林さん、江原さん、小野さんです。
 櫻林さんは3敗してしまいました。しかし、普通「負ける」ということは少なからずダメージがありますが、それを物ともせずに3戦したタフさというか頑丈さは正に士衛塾山梨の戦士です。
 江原さんは初戦で腕を骨折していた(後日判明)のにもかかわらず、次の試合で勝利。言葉が出ないくらい凄いです。漢を見せてもらいました。このことを今後に生かしていってもらいたいです。何でも乗り越えられるはずです。その心意気に士衛塾山梨の魂をしっかりと見せてもらいました。
 小野さんは、56歳で空手を始めて58歳でデビュー戦。凄いことです。私がその歳で同じことができるかといったら自信がありません。凄い人は凄いのですね。その戦っている姿(背中)を見て、私は「この人はまだまだ強くなる」と思いました。この年齢で成長する。私にそう思わせる小野さんは、「背中で語ることができる漢」です。ミスター士衛塾山梨です。
 そういえば私も最初の頃によく自分に言い聞かせていた言葉を思い出しました「子どもが成長すると同じように、大人も成長できる」。
 私たち指導者も生徒のみなさんから「元気や勇気」をもらっています。木村最高師範は「シニアの組手は、その人の人生観が出る」と言います。それは組手だけでなく、練習に対する姿勢も然りだと思います。

■大切なのは「いま」やっていること■
 また、この大会には最高齢72歳の方が出場し勝利していました。この歳で直接打撃のフルコンタクト空手の試合に出場するということは、普段からそれなりの練習をしているのでしょう。頭が下がります。私がいくら5大会連続優勝!などと言っても、この方には到底かないません。その年齢で試合に出ることができるか・・・。大事なことは、過去の試合の成績も大事ですが、それよりも、「いま」やっているかどうか、そして将来やり続けているかどうかです。過去の経験や蓄積を今にいかし、将来へとつなげていく、人生そのものです。生き様そのものです。なぜなら、私たちが行っているのは、スポーツではなく「武道」だからです。

■冬合宿・後藤杯のこと■
 さて、冬合宿、後藤杯が終わりました。合格、入賞したみなさん、おめでとうございます。組手審査のない技術審査のみの山梨からの受験者は危なげなく合格。組手審査では佐藤佑星が4回目の受験で合格となりました。おめでたいことは続くもので、次の日の後藤杯でも優勝しました。
 茶帯、黒帯を取ろうとする時、その人に必ず試練が与えられます。特に初段はそれを乗り越えてこその初段です。強いだけではダメです。周りからも認められなければなりません。自分のことよりも、後輩や目上の人のことを考え行動しなければなりません。その気遣い(人に対する分析力)が組手ですごく役に立ったりします。
 初段については偶然やラッキーで取得できるものではありません。今までの努力の積み重ねの結果、ちゃんと取るべき時に取れるようになっています。
 先日、ある会社の役員の方と話しましたが、人から信用されることはとても大切なことです。当たり前ですよね。では、その信用をどうやって作っていくか。それは約束の履行の積み重ねです。「この技、練習してこいよ」「はい」、「腕立てをできるようにしてね」「はい」…先生と生徒の約束事です。できなければ信用を落とすのは当たり前です。いつも時間より早く来ている人がたまたま遅くなっても、たまには仕方ないよねと思われます。と同時に「いつも早く来ているのに何かあったのか?」と心配されます。逆にいつも時間にギリギリか遅刻している人が、重大な理由で遅刻しても「またか」と思われるだけ。全く信用されていません。
 以前うちにもいましたね、そういう大人。自分で勝手にした約束を守れない人。付き合えば付き合うほど信用をなくしていく人。自分自身で人の信用を落とす行動をしている人。そうならないように気を付けましょう。

■辞める理由■
 年が変わる、年度が変わるこの時期は新しく人が入ったり、逆に辞めたりという時期になります。長年想いをかけてきた生徒が辞めると寂しいものです。残りの人生の時間の方が短い私は、その貴重な時間を削りながら、それぞれの将来のことを思い指導しています。そういう意味で、私は「命を懸けて」指導しています。
 ここからは一般論です。士衛塾山梨のことではありませんが、空手を辞める理由によく「勉強が・・・」「部活が・・・」「塾が・・・」とか空手とは全く別の理由で辞めていく方がいます。「空手が嫌いになった」とかならば理解できますが、空手以外の理由で辞める理由がほとんどです。
 新しい何かが起こり、それが大変になると今まで続けていたことを手放してしまう。「一つのこと」しか集中できない人は将来的にも困りものです。きっと仕事も何か事が起これば辞めてしまうのでしょう。そういう癖をつけないようにすることも大切です。
 「ひとつのこと」に集中よりも「ひとつひとつ」に集中できるようにしましょう。大人はみんなそうやって仕事や子育て家庭を維持しているはずです。

■特別クラスのご案内■
 士衛塾山梨では、通常の練習以外に、それを補う「フリークラス」、「上級・選手クラス」「型習得コース」を設けています。それぞれの目的に合わせて本部登録者は自由にご参加ください。全ての練習で初心者から参加可能です。
 「一般部・シニア フリークラス(月・水21:00-22:30)」一般部・シニア向けに各自個別ないし集団で練習を行います。仕事で遅い方もご利用できます。ジュニアでも参加できます。
 「上級・選手クラス(火・金19:30-21:30、不定期土曜13:30-16:00)」基本や型、移動組手等すべてにおいて士衛塾山梨最高峰の練習を行います。現状のステップアップのためにもぜひご利用ください。審査会の前や、試合の前だけにスポットで参加することも構いません。紫帯からは必須となります。
 「型習得コース(水18:00-19:00、土16:00-18:00)」は、通常の練習では行わない型の練習を行います。紫帯からは必須となります。また型大会で全日本大会や世界大会を目指す方のために、様々な型を行います。

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伊藤龍吾(格闘家)

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

世界大会入賞者を多数持つ士衛塾では、初心者から上級者まで、目的に沿った指導ができます。指導者はプロとして自覚と誇り持ち、常に研究と勉強・実践を怠りません。一流の道場からは一流の選手が育ちます。

伊藤龍吾プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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