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仲良し家族なのに苦しいのはなぜ? 愛という名のもとに潜むグレートマザー ②

一瀬英史

一瀬英史

テーマ:心理カウンセリング メンタルヘルス対策

「家族の問題」を抱えている方の多くは、「グレートマザー(太母)」の悩みによる生きづらさを感じています。
グレートマザーとは、私たちの心を包み込み、時に呑み込んでしまう深層心理のはたらきです。
グレートマザーシリーズの2回目をお伝えします。1回目はこちら

仲良し家族の影

あなたは、以下のような「仲良し家族」の姿を見て、どう感じますか?

◆ 「何でも話せる」友達のような親子
◆ 親の夢や希望を実現するために頑張る子ども
◆ 「やっぱり家族が一番」と絆が異常に強い家族
◆ 30代を過ぎても「家族旅行」が最優先される生活
◆ 「親を悲しませたくない」と口にするやさしい子ども
◆ 一人暮らしの子に「心配だから」と毎週電話する親
◆ 言い争いや葛藤がまったくない平和な家庭

これらは一見、理想的な家族に見えるかもしれません。

しかし、もしあなたがここに「得体の知れない違和感」や「息苦しさ」を感じているとしたら、そこに「愛という名のもとに潜む病理」が隠れている可能性があります。

浜田省吾さんの名曲に「愛という名のもとに」がありますが、今回は心理学的な視点から、愛の裏側に潜むグレートマザーの影について深掘りしてみましょう。

「あなたを心配する」という愛と、グレートマザーの二面性

「グレートマザー」とは、特定の母親を指す言葉ではありません。
 性別を問わず、私たちの心に備わっている「生命を守り、包み込み、育もうとする力」。
無意識の奥底にある、根源的なはたらきです。

そして、この根源的な力には強烈な二面性(両価性)があります。

◇ 正の側面: 慈しみ、保護し、育てる力
◆ 負の側面: 呑み込み、離さず、成長を止める力

子どもを育てる過程で親は、成長の喜びとともに不安も感じるのが自然です。
ヨチヨチ歩きを始めた子どもの成長に喜びを感じつつも、転んで痛い目に遭うんじゃないかと不安を感じます。

 「よその子から意地悪されないか・・・」、「学校でうまくやっていけるか」、「期待通りに育つだろうか?」……。

健康的なグレートマザーの力は、その不安を抱えながら見守り、子どもが傷ついた時に手当てをし、安心を与える「安全基地」として機能します。
一方で、グレートマザーの負の側面が強く働くと、「不安そのものを呑み込もう」とします。

◆ 子どもが転ぶ前に抱きかかえてしまう
◆ 葛藤が生じる場(社会)から遠ざける
◆ 親の望みから外れる行動を無視する

愛のいう名の心のもとからの行動ではあるものの、こうした関りは子どもの成長機会を奪い、親自身の不安を解消するために子どもを支配している状態です。
自他が一体化し、子どもを一人の独立した人間として認めない「呑み込む愛」へと変質してしまいます。

グレートマザーが生み出す「共依存・疲れる親・毒親」の構図

グレートマザーの病理が働くと、家族の中に「癒着・境界線の欠如・自立への罪悪感」が生まれます。
先ほどの例を、心理的な視点で解体してみましょう。

【友達親子(共依存)】
隠し事がないのは、互いの境界線が消滅している証拠です。
親の悩みを子が背負い、互いの不安がいっしょくたに癒着した共依存関係といえます。

【親の夢を追う子(自己の喪失)】
親が子を「自分の分身」として扱い、子は親の期待に応えることでしか存在意義を感じられなくなります。
成長とともに、親は「ひどく疲れる存在」へと変わっていきます。

【絆が強すぎる家族(排他性】
外部の価値観を「悪」とし、変化や違いを拒絶します。
成長のない、停滞した閉鎖空間になりがちです。

【30代でも家族旅行が最優先(自立の阻害)】
自分の楽しみよりも親の満足を優先させ、自分だけの時間を過ごすことに罪悪感を抱くようコントロールされています。さらには、そうした状態への違和感も呑み込まれているかもしれません。

【「親を悲しませたくない」やさしい子(本来の自己の抑圧)】
進学や就職、結婚など人生の選択場面において、自分の意思や好みよりも、親の不安を解消することが優先される関係です。これは優しさではなく、グレートマザーに飲み込まれた結果の「自己犠牲」です。

【毎週心配して電話する親(過干渉・毒親)】
愛を装いながら、自分の寂しさを子どもに押し付けています。
子どもが「親を放っておけない」と感じるなら、それは重い鎖です。

【葛藤のない家族(感情の抑圧)】
不和を避けるために本音を殺し、過剰な忖度で保たれている「偽りの平和」です。

その「息苦しさ」は、本来の自分を取り戻すためのサイン

ここまで読んで、胸が苦しくなったり、逃げ場のない重さを感じたりした方もいるかもしれません。
実は、この記事を書いている私自身も、書いていて息苦しさを感じ抑うつ感が湧いています。自分の中にあるグレートマザーの病理を自覚し、向き合っているからです。

誰の心にもグレートマザーは潜んでいます。
グレートマザー自体は、「善」でも「悪」でもありません。

しかし、もしあなたが今、家族関係において抑うつ感や生きづらさを感じているなら、それはグレートマザーの働きによるものかもしれません。
そして、それが「本来の自分(自己)を生きる時が来た」という魂からのサインだとしたら…。

心理カウンセリングは、このグレートマザーの「呑み込み」の力を「慈しみ」の力として使えるような里山マインドを育み、あなた自身の本来の人生を探求する場所です。

もし今、あなたが…
何か得体の知れない力に呑み込まれそうな感覚にいるのなら…
重い鎖に縛られているような感覚でいるのなら…

私たちは、本来のあなた自身を生きるお手伝いをさせていただきます。

問い合わせ こちらから

次回は、職場におけるグレートマザーの問題についてお伝えします。

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一瀬英史
専門家

一瀬英史(心理カウンセラー)

Eustress株式会社

かけがえのない人生を豊かに生きる上でストレスは必ずしも悪ではありません。心理カウンセリングや各地でのストレスマネジメント支援の豊富な経験を生かし、個人や家族,会社や組織の心の健康をサポートいたします。

一瀬英史プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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