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ストレスを「良いストレス」にマネジメントして日常に生かし、健やかな心身と豊かな人生を!

ストレスマネジメントと心理カウンセリングのプロ

一瀬ひでし

一瀬ひでし いちのせひでし
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#chapter1

ストレス反応はその人らしさの発露。セルフコントロールができるようサポート

 「ストレスは決して悪いものではありません。良いストレス(Eustress)と悪いストレス(Distress)があり、自分でコントロールして良いストレスに変えていくことも可能です」
 こう話すのは、「Eustress(ユーストレス)」の代表で、心理カウンセラーの一瀬ひでしさん。山梨県、静岡県、大阪府、兵庫県に拠点を置き、企業のメンタルヘルス対策を支援するほか、個人に向けてカウンセリングを行っています。

 一瀬さんが専門としているのが、ストレスをセルフコントロールできるようになる「ストレスマネジメント」という手法です。
 「ストレスについて学びを深め、精神的な負荷がかかる出来事に対して自分がどう受け止め、どんな反応が出やすいかを理解し、ストレス対処体験を通して日常に役立てる方法です。カウンセラーの力によってストレスがきれいに解消されることを期待する方もいますが、それでは依存する力の応援になってしまいます。私たちが行っているのは、相談者さん本人がストレスの上手な扱い方を獲得するためのお手伝いです」

 カウンセリングの際に一番大事にしているのは「その人らしさの応援」と、一瀬さん。
 「誰だってできれば心が傷つくような体験はしたくないと思いますが、ストレスに対する心と体の反応を、否定的に捉えなくても大丈夫です。自分らしさを実現しようとして、いろいろな症状が出てきているともいえるからです。みなさんの不安を和らげるためにも、多角的な視点からストレスについて考えたり話し合ったりし、状況によっては医療とも連携しながら、丁寧に対応します」

#chapter2

生徒の心に向き合う教員から心理カウンセラーへ。子どもたちの親の心にも寄り添いたい

 一瀬さんは、元高校教諭。心に問題を抱える生徒に寄り添いたいと、臨床心理士の資格を取得しました。その姿勢を買われて山梨県総合教育センターに転じ、不登校やいじめ、発達障害といった悩みのカウンセリングおよび、学級や学校など集団における心の健康問題の予防活動に従事してきました。国家資格の公認心理師も取得。心理カウンセラーの活動をメインにするため、54歳で早期退職することを決意します。

 「子どもたちに向き合う中で、教育領域だけでの関わりでは限界があると感じました。子どもを取り巻く環境、特に保護者にも目を向ける必要があるのではと。親御さんは労働者でもありますから、産業領域でも心の問題にアプローチすることは意義があると考えたのです」
災害後の心のケアに長年携わってきた兵庫県立大学名誉教授・冨永良喜さんの門下生として知見を深め、2021年、冨永さんのもとで学んだ仲間とともにEustressを立ち上げました。

 近年、ストレスチェック(従業員50人以上)や、パワーハラスメント防止措置が義務化されるなど、各事業所でメンタルヘルス対策の機運が高まっています。しかし、一方で、「ストレスチェックは面倒」「何の意味があるのか」といった声も多いのが現状です。
 「せっかく制度があるのですから、ぜひ有効活用しましょう。従業員の心の健康を守ることが、企業の生産性を高めることにもつながります。当社では、経済産業省の『健康経営優良法人認定制度』のメンタルヘルスに関する項目にも対応しています」

一瀬ひでし いちのせひでし

#chapter3

動作を通じて心を整える臨床動作法を採用。「心のフィットネスクラブ」のような存在でありたい

 一瀬さんは、臨床動作法という心理療法にも精通しています。
 「カウンセリングは、主に言葉を使って相談者さんとやり取りしながら、悩みの本質をひも解いていきますが、心のダメージが大きい時に『気持ちを吐き出してごらん』『なんでも聞くよ』などと言われても、話すこと自体がつらいこともあるでしょう。臨床動作法は言葉ではなく、動作や姿勢、呼吸などによって心を整えていくものです。精神と体は一体で分けることができない『心身一如』で、心の反応は体にも現れ、体の反応は心にも影響を与えます。動作法によるストレスマネジメントは被災地でのこころのケアでも活用されました」

 臨床動作法を用いたストレスマネジメントは、産業領域でも活用できると考え、企業や各種団体に向けた体験型セミナーも行っています。
 「ストレスがかかる場面をイメージし、その時に出てくる反応を、体を使って自分でケアをしてもらいます。実践的な内容で、実生活でのストレスマネジメントにも役立ちます」

 社員やその家族を大切にしている経営者と一緒に、メンタルヘルスケアに取り組んでいきたいと語る一瀬さん。その根底には、教員時代に出会った子どもたちへの思いがあります。
 「人生100年時代といわれる中、いくつになっても元気に過ごすには、心身を健やかに保つことが重要です。体づくりのためにジムに行ったり、ジョギングをしたりしますよね。それと同じように、いわば『心のフィットネスクラブ』のような身近な存在として、みなさんの心の健康に寄り添っていきたいと思っています」

(取材年月:2022年9月)

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ストレスマネジメントと心理カウンセリングのプロ

一瀬ひでしプロ

心理カウンセラー

Eustress株式会社

かけがえのない人生を豊かに生きる上でストレスは必ずしも悪ではありません。心理カウンセリングや各地でのストレスマネジメント支援の豊富な経験を生かし、個人や家族,会社や組織の心の健康をサポートいたします。

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